辛酸なめ子さんの憧れはテイラー・スウィフト。 人を元気にするパワーに脱帽、熱い魂をもつ真のスーパースター!【素敵な大人たち】

テイラー・スウィフト

揺るぎない信念、洗練の美意識、孤高の精神、慈しみの心……自分のスタイルを持つ素敵な大人たち。人生の先輩や、生き方のお手本など、各界で活躍する方々のそれぞれの視点から憧れの人をうかがいます。今回は、辛酸なめ子さんが憧れるテイラー・スウィフトについて。

語ってくれた人

辛酸なめ子

辛酸なめ子/しんさん・なめこ

漫画家・コラムニスト

1974年東京生まれ。独自な視点とタッチで描くイラストレーション、鋭くユーモラスなコラムが多くの支持を得る。最新刊『この人生、前世のせいってことにしていいですか』(幻冬舎文庫)発売中。

私もがんばろう、ってエンパワーされます。

2006年のデビューから20年。アメリカ国内のアルバム総売り上げは1億枚を突破。グラミー賞など数多の賞を受賞。ツアーを始めれば世界中の会場でチケットが即刻ソールドアウト。エンタテインメント界のトップに君臨する絶対的スター。それがテイラー・スウィフトです。

辛酸なめ子さんはリアリティーショー番組『テラスハウス』でテイラーの『We Are Never Ever Getting Back Together』を聴いて以来、注目してきました。「海外セレブに注目するのは、やはりそのスケール感がすごいから。動くお金も桁違いです。しかも世界的に有名であるというセレブとしての使命感をちゃんと持っているんです」

16歳でカントリーの歌手としてデビューしたテイラー・スウィフト。初期のころから頭角を現して、アメリカから世界へと一気にスターへの階段を駆け上りました。でもそこはなだらかでまっすぐな道ではありませんでした。少女のころに経験したいじめ、注目をされるようになってからふりかかったさまざまな災厄はファンにはよく知られているところです。MTVビデオ・ミュージックアワードの最優秀女性アーティスト・ビデオ賞をわずか19歳で獲得した授賞式で、ラッパーのカニエ・ウェストから受けた侮辱的な発言(テイラーが壇上にいるところにウエストが乱入し、ビヨンセのビデオこそが最高なんだと宣言した事件)。

さまざまなトラブルで、落ち込んだ時期もあったのだとか。でも、そのたびに彼女は自らの体験を歌にして、復活してきました。「一見、何不自由なく生きているように見えて、大変な思い、苦労をしているんですね。でもそういうことを見せず乗り越えて、見る人を元気にしてくれる。そこに惹かれます。しかも、私うまいでしょ、というような歌い方ではなくて、耳触りがよくて、すっと入ってくる声なんです」

テイラー・スウィフト

辛酸さんも堪能した「ザ・エラス・ツアー」。こちらは2024年6月、ロンドンでのショット。くっきり黒いアイラインに深紅のリップがテイラーのシンボル。彼女のファンは「スウィフティーズ」として、スターを支えている。
©PA/Alamy/amanaimages

テイラー・スウィフト シンガーソングライター
1989年米、ペンシルバニア州生まれ。テイラーという名前は歌手のジェームズ・テイラーにちなむ。幼いころから音楽に親しみ、2006年にデビュー。自ら詞を書き曲を作り、自身の恋愛や友情を歌にして発表、多くのヒット曲を生み出す。SNSなどのデジタルメディアも活用して現代で最も成功したシンガーとしての地位を確立。

ネガティブな出来事が起きても作品にして、その思いを浄化

カルマという言葉をテイラーが使うことにも注目していると辛酸さん。

「因果応報というのでしょうか。いいことをしたらいいことが返ってくる。悪いことをしたら同じように悪いことが返ってくる。そういう意識がすごくある方だと思います。ずばり『Karma (カルマ)』という曲があって、カルマは私のボーイフレンド、神様だと歌っていて。カルマと仲がいいからクリーンでいられるのよという意味なのだと思います。海外セレブに多いドラッグやお酒に溺れるというようなこともない。ネガティブな出来事が起きても作品にして、その思いを浄化して、聞く側も救ってくれる存在なのではと思います」

前進している彼女を見ていると元気に

辛酸さんは2014年、2018年、そして2024年の「ザ・エラス・ツアー」というワールドツアーも東京ドームで鑑賞。歌やダンスの素晴らしさ、次々と披露されるコスチュームの華麗さ、おおがかりなセットの迫力に感動したという辛酸さん。

「一番最近のエラス・ツアーは、なんと全45曲、3時間半くらい歌い踊り続けるという驚異のコンサート。その前のツアーで歌ったのは確か24曲ぐらいだったと思うのですが。こちらは見ているだけで疲れてしまうのに、テイラーは息切れもしないで、ヒールの靴で歌い踊っているんです。その化け物のようなパワーに本当に驚きました」最近テイラーが結婚したアメリカンフットボールのスタープレイヤー、トラヴィス・ケルシーが「彼女がステージでやっていることは、自分よりハードなことだ」と言ったのだとか。

「守りに入ったりせずに前進している彼女を見ていると元気になります。30代半ばという若さなのに、ロールモデルになろうという成熟した大人としての使命感を感じますし、そこに励まされます。自分も仕事でちょっと難しいかなと思うことでも、できると思えばできるんじゃないか、限界を決めないで、やってみようか、そんな気持ちにさせてくれます。エンパワーメントされるんです」

真のスーパースターの放つ圧倒的な輝きと熱い魂は、ファンの生き方をも変える力をもつのです。

『クウネル』2026年11月号掲載
取材・文/船山直子

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『クウネル』NO.141掲載

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