まるで美術館のようなホテル『ハイアット セントリック 金沢』に泊まる、大人のアート旅。

歴史と伝統文化にあふれ、街がまるごと美術館のような金沢。そんな金沢らしさを体現している『ハイアット セントリック 金沢』は、金沢の伝統工芸やアートを間近に感じながら唯一無二の宿泊を体験できるホテル。金沢駅の目の前という絶好のロケーションにあり、旅の拠点としても最適!

アートとの調和が美しいホテル空間

加賀藩主・前田家ゆかりの群青を使った一筆描きによる作品と、潰されたさまざまな鉄の工具を叩いて金箔を施し松を表現した、二人のアーティストによる合作。大森慶宣《Blue Rhythm》、小沢敦志《野鍛治の門冠》

『ハイアット セントリック 金沢』の館内は、まるで美術館のよう。金箔、加賀友禅、九谷焼など、金沢の伝統工芸にモダンさを加えた100点以上のアートピースを、館内のいたる所で見つけることができます。

ロビーに燦々と輝く金箔の作品は、36枚のステンレス金網に貼り合わせている。その大きさにも驚く。高岡愛《Plant Metal 2020》

1階のエントランスでは松をかたどった大きなアートピースに、チェックインロビーでは壁一面に飾られた金箔の作品に出迎えられ、その堂々たる迫力に思わず引き込まれます。

三大象嵌の一つ、加賀象嵌の技法でモダンなデザインを表現した作品。象嵌の細やかな工芸技術を360度の角度から眺めることができる。個人的にはこの作品の象嵌技術に興味を惹かれ、滞在中何度も見に行ったほど。中川衛《象嵌朧銀花器「窓明」》

こちらはレストラン個室の一角に飾られていた作品。自然界の偶然が生む釉薬の発色に、ただただ見惚れてしまう。十一代大樋長左衛門(年雄)《大樋窯変 水指「尊崇」》

古地図と前田家の家紋を模様にした加賀友禅は、1階エレベーターホールに。三尾瑠璃《加賀国金沢之絵図 銹雲唐草》

漆を濾す時に使われる和紙を再利用し、貼り合わせてアートワークに。エレベーターホールの壁に用いられ、各階によって色やデザインが異なる。

オールデイダイニング「FIVE - Grill & Lounge」ではパビリオンとラウンジ&バーエリアを仕切るガラスの壁に、松をモチーフにしたグラフィカルなデザインが。杉山陽平《あわせ松》

「兼六園」をテーマにした2階フロアには、力強い書のアートが展示。雲海筆也《百万石金沢》

ちなみに、アート作品はほとんどが直接触れられる状態で展示され、細やかさや質感までを間近に見ることができます。これは美術館ではなかなかできないこと! ぜひ、気になった作品を見つけたら存分に鑑賞してみてください。

彩りあふれる部屋でアート探し

46平米のプレミアム ツイン。

全253室の客室は、金沢の町並みを連想する町屋の木組みをモチーフに取り入れたデザイン。天井が高く開放的な造りで、心地よく過ごせる空間です。
部屋に入ってまず目を引くのは、加賀藩前田家ゆかりの成巽閣にある「群青の間」と朱色の壁にちなんだ色を用いた、鮮やかな色彩のベッドボード。部屋のいたる所には伝統工芸品やアートが飾られ、金沢らしさを感じるインテリアのアクセントに。身近にアートを感じながらゆったり過ごすのも、また贅沢なひとときです。

ベッドボードもアートに。よく見るとマンホールや側溝、下駄の足跡が…、金沢の街歩きを表現しているよう。

壁に飾られた水彩画は、地元のアーティストの作品。今村公恵《九谷赤絵宝尽くし文大鉢図》

部屋のこんなところに!という場所にいたのは、うさぎを模した金沢の郷土玩具「加賀八幡起上り」。

客室の入り口に飾られているのは、九谷焼のルームナンバープレート。13種類の異なる絵付けが施されているそう。

地元の食材を味わえるオールデイダイニング

ホテルの「食」も楽しみの一つ。オールデイダイニング「FIVE - Grill & Lounge」では、グリル料理をメインに、地元の食材をふんだんに使用したオリジナルメニューに舌鼓。また、朝食ビュッフェでは、のどぐろの一夜干しから、めった汁、金沢名物のおでん、カレーまで、ローカルフードがずらり。ドレッシングや醤油など地元の調味料や乳製品は味比べができたりと、趣向を凝らした金沢グルメは、満足度高し!

「パーク ハイアット 東京」のレストラン「ニューヨーク グリル」のシグニチャーメニュー〈シーザーサラダ〉をベースに、旨みがたっぷりの能登ポークベーコンを使ってオリジナルスタイルに。

ディナーのメインは能登牛サーロインのグリル。金沢玄米甘糀のマスタードソース、金沢柚子胡椒ソース、能登塩を自由に合わせて、味の変化を堪能。

金沢の食卓を表現したかのような、地元の食材にあふれる朝食ビュッフェ。

堅豆腐には2種類の醤油糀を、納豆には地元の醤油「ひしほ」をチョイス。どれも初賞味。のどぐろの一夜干しのおいしさに朝から唸る。

金沢の街が見渡せるルーフテラス バー

最上階にオープンエアのテラスを設けた「ルーフテラス バー」は、開放感たっぷりに金沢の街並みが見渡せます。
オープンは17時。夕方のマジックアワーに訪れて空の移ろいを眺めたり、ディナーの後バーカウンターで一杯…と、思い思いのホテルステイを楽しめる、とっておきの空間です。12月31日には、カウントダウンのイベントも!

ルーフテラス バーの営業時間は17:00〜22:30LO(金土〜23:30LO)

カウンター席もパノラマビュー!

金沢らしさを表現した創作カクテルも。

ルーフテラス バーに設けられた、静謐なモノクロームの世界。漆を塗る前の器物「木地」と、漆器を収める木箱の集大成。

金沢の伝統工芸に触れる体験も

滞在中は、金箔工芸のワークショップを体験。
そもそも金沢は、江戸時代から発展した金箔製造の中心地で、現在ではほぼ100%が金沢で作られているそうです。今回はその金箔工芸を身近に感じられる貴重な機会、逃す手はありません。

体験させていただいたのは、ひがし茶屋街で約200年にわたって意匠を継承する『金澤しつらえ』。趣のある茶屋建築の建物に一歩足を踏み入れると、そこはタイムトリップしたような異空間が広がります。

金箔職人が、箔を切り揃える工程「箔移し」の実演。およそ1万分の1ミリという薄さの箔を取り扱う職人技は、思わず息を呑むほどの緊張感。

いよいよワークショップです。職人が使う砂子筒(ふるい)などの道具を実際に使いながら、漆塗りの器に金箔を装飾する工芸品を作ります。

青のシールで囲んだ部分に目がけて、ふるいを使って金箔を装飾。ふるいの使い方次第で金箔が描く景色が変わる、難しい工程。

ふるいの工程は2回繰り返す。和紙で押さえてなじませたら、職人に預けて仕上げてもらう。

金沢の老舗和菓子店「森八」の上生菓子と伝統ある焼き物「大樋焼」の茶碗でお抹茶をいただきながら、出来上がりを待つ優雅な時間。

 

自作(右下)の“工芸品”が完成。

最後は職人にコーティングを施してもらい、ついに完成! 参加した4名それぞれ金箔の表情が違い、個性豊かに仕上がりました。作品はその場で持ち帰ることができ、嬉しい土産に。伝統工芸の奥深さを実際に体験できる、貴重な機会でした。
※金箔工芸体験は、『ハイアット セントリック 金沢』公式サイトより予約可能。

金沢が誇る伝統工芸や現代アーティストの作品を存分に楽しみながら宿泊できる『ハイアット セントリック 金沢』。心の琴線に響く作品との出合いは、何にも代えがたい特別な思い出。“芸術の秋”にふさわしい金沢へ、ぜひお出かけください。

ハイアット セントリック 金沢

住:石川県金沢市広岡1-5-2
TEL:076-256-1234
JR金沢駅 金沢港口(西口)より徒歩2分
公式HP:http://hyattcentrickanazawa.jp

取材・文 神保亜紀子

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