【パリのムッシュスナップ】マレ地区で好きなことわざを調査。日本でも親しまれるあのフレーズはパリでも人気

ことわざは国の文化や国民性を反映します。フランスのことわざとはどんなもの?
素敵なムッシュが集まるパリのマレ地区で、彼らが仕事や生き方の信条とする言葉を取材しました。
1_「人生で一度」

Lionel Fouillé(リオネル・フイエ)さん
アパレル関係 56歳
人生で一度
Une fois dans une vie
直訳は「人生一度きり」と似ているが、こちらは一生に一度の貴重な出会いや機会を指す日本のことわざ「一期一会」と同義語。選んだのはブルターニュ地方でセレクトショップを経営するリオネルさん。
「すべての出会いを大切にしたい。相手を尊重しながら学びを得たり、自分が何かを与えたりすることができたら理想的です」
2_「何事も自分でやるのが一番いい」

Fouad Amairia(ファード・アマイリア)さん
カフェスタッフ 47歳
何事も自分でやるのが一番いい
On n’est jamais mieux servi que par soi-même
人気カフェで働くファードさんが信条とすることわざの意味は「他人は、あなたがするほど上手に仕事をすることはない」。
「仕事を頼んだスタッフがミスをすることもありますが、その際にこの言葉を思い出せば、他人は自分のようにできるわけではないのだ、と平穏な気持ちになれる。人間関係を円満に保てることわざです」
3_「なるようになるさ」

Marnix Heijboer(マルニクス・エイジュボエール)さん
報道官 44歳
なるようになるさ
Que Sera, Sera
ヒッチコックの映画『知りすぎていた男』の主題歌としてフランス語訳もヒットした「ケセラセラ」を選んだマルニクスさん。
「仕事面で難しい状況に直面することも度々。そんなときにこの言葉を思い出し、悩んでもしかたがない、流れに任せよう、と自分に言い聞かせます。私生活でトラブルがあったときにも役立ちます」
4_「米袋を満たすのは米である」

Jean゠René Étienne(ジャン・ルネ・エチエンヌ)さん
映像監督 47歳
米袋を満たすのは米である
C’est avec des grains de riz que l'on remplit les sacs de riz
ジャン・ルネさんが挙げたのは家族に由来がある、フランス海外県、マルティニークのことわざ。
「小さなことの積み重ねが、大きなことにつながる」を意味し「塵も積もれば山となる」と同義。「仕事におけるモットー。映画の製作は大変な労力と時間を要します。大きな成果を得るために目の前の仕事を辛抱強く、少しずつこなします」
『クウネル』2025年7月号掲載 写真/新村真理、コーディネート・取材・文/木戸美由紀、編集/矢沢美香
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