鎌倉の山の上に建てた美しい一軒家で暮らす〈クウネル・サロン〉メンバーの井手しのぶさん。鳥の声、風の音しか聞こえないような静かな家での楽しみは、何といっても読書。大好きなパリの本を開いては、いまはなかなかできない旅を本の世界で楽しんでいます。大切に何度も読んでいる本を教えていただだきました。
左から)
『 木村伊兵衛のパリ ポケット版』 木村伊兵衛 (朝日新聞出版)
戦前・戦後を通じて活動した日本を代表する著名な写真家 ・木村伊兵衛 が撮影した1950年代のパリの風景。
『林芙美子 女のひとり旅』角田光代、橋本由起子(新潮社)
林芙美子が人生の節目に旅した場所を紀行文とともに巡る。巻頭に角田光代さんのエッセイを寄せている。
『パリの横町・小路・裏通り』早川雅水(有楽出版)
パリに20年住み、パリを第二の故郷とする著者が、観光客が行かないような、でも魅力的な通りや街を案内する。
「パリは好きな場所です。特に9区の上の方とか、歩いていると見つける美しいパッサージュとか…。期間限定で現れるブロカント、それぞれ昔からの内装を大切に保っているカフェ、昔からきっと変わったないんだろうなぁ…と、見てもいない古き良き時代を感じます。そんなパリを想像できる本は日本に居ても渡仏している気分になれます」
『ton paris』茂田井 武(講談社)
天才と称されながら、短い活躍ののち惜しまれつつ急逝した童画家、茂田井武 が 20代にパリで描き綴った画帳 。
「ジャケ買いした一冊。装丁も素晴らしく、眺めているだけでウキウキします」
『パリにゃん』酒巻洋子(産業編集センター)
おしゃれなパリのアパルトマンに住むおしゃまな猫たちを紹介した一冊。
「実はパリではあまり猫は見かけないのです。犬は何処にでも居るのだけれど…。そんななかなか見ることはできない、パリの猫たちをたっぷりと見ることができます」