「1日に5~6杯は飲むお茶は、体に安心な有機栽培などの玄米茶にしています」とかの香織さん。故郷への想いに溢れたお茶タイムにお邪魔しました。
8年ほど前に体調を崩し、以来、食生活には気を遣っているそう。最近は、ゆるやかなグルテンフリーを実践中。「体がデトックスされるようで調子がいいです。パンも大好きでしたが、東北生まれの私にはお米中心の食生活がDNAに合っているのかもしれません」
実家は宮城県にある造り酒屋。12代目として生まれたかのさんは、晩秋から早春に酒造りに励む蔵人さんたちと寝食を共にしていました。
「思えば、蔵人さんたちの休憩時間のお茶が玄米茶でした。当時10代だった私は玄米茶を古臭く感じ、コーヒーやハーブティー派でした。でも、最終的には子どもの頃、口にしていた味に戻ってきました。今は玄米を炒った香ばしい香りに、ホッとします」
今日のお茶菓子は、地元から取り寄せた米粉が原料のゆべし。玄米茶のいい香りに包まれるかのさんのお茶タイムは、故郷への想いに溢れています。
かの香織/かのかおり
音楽プロデューサー
造り酒屋12代目当主として地域復興のため日本酒造りに関わる。一般財団法人「オーバー ザ レインボウ基金」代表として音楽を通し復興県の子どもたちの心の支援を中心に活動中。
『ku:nel』2020年7月号掲載
写真 森山祐子/取材・文 高橋敬恵子