故郷に建てた木造平屋で、 家族と紡ぐ小さな感動。monshiroデザイナー・関谷聡美さんのくつろげる部屋 (後編)

ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はmonshiroデザイナー・関谷聡美さんのお部屋です。

前編はこちら

間取り

築7年、180平米2LDKの木造平屋。すべての部屋が庭に面し、明るく風通しも良い。サンルームから繋がるウッドデッキには浴槽を設置し、露天風呂も楽しめるように。

暮らしの中心は家の外、庭が主役の理想の平屋。

家と庭を繋ぐウッドデッキは、家族が自然に集まる第二のリビング。DIYが得意な夫が、少しずつ作業を重ねて完成させた。外壁に選んだ木材は、新潟ブランドの越後杉。経年による色の変化も楽しめる。

夫婦がイメージしたのは、庭と繋がる横長の平屋。床材やドアなどの建具には、ヴィンテージ家具の買い付けをする夫が、ヨーロッパを中心に世界各地で出会ったものを取り入れています。

「家具や照明もヴィンテージが好きですね。時間を重ねて受け継がれてきたものを、手入れしながら大切に使っていきたい。小さい子供や犬がいるので、どうしても傷や汚れがついてしまいますが、その過程もおおらかに楽しんでいけたら」

明るく気持ち良い洗面所。リネン類の収納はカゴを使ってすっきりと。

大きな窓から庭の景色が広がる寝室。ロフトは子供たちの遊び場。

家具や照明は、ヴィンテージの買い付けをする夫が世界各国で出会ったもの。

それは家も同じこと。外壁には独自の色の変化が特徴的な越後杉、床にはチーク材を選び、経年による変化や傷も、家族の成長と共に楽しみたいといいます。

「この家はまだ完成形だとは思っていないんです。ライフスタイルや気持ちの変化に合わせて、壁を塗ったり仕切りを増やしたりして育てていく予定です。ウッドデッキを拡張したり、小屋を建てたりと、庭の進化も楽しんでいます」

どこにいても自然との繋がりを感じられる、広々としたリビングダイニング。レザーソファは『デセデ』のヴィンテージ。ダイニングチェアはあえてバラバラのものを選択。

庭仕事や家族との時間を確保するため、仕事を早めに切り上げるようになり、生活のリズムも変化したという関谷さん。おのずと手がけるジュエリーのデザインも変わってきたのだそう。

「以前は花モチーフなら、花のディテールを忠実に再現したい、と対象物にスポットを当てていたのですが、今は自然から受けたインスピレーションや、頭の中に残った景色を切り取りたいと思うようになりました。朝の光がきれいだな。そんな日常の小さな感動から、自然に創作意欲が湧いてくる。それはこの家に引っ越したおかげかもしれませんね」

PROFILE

関谷聡美/せきや・さとみ

新潟での自然と調和した暮らしから生まれるジュエリーブランド『monshiro』のデザイナー。自然豊かな地で三人の子供を育てながら、創作活動や農園事業を手がける。

『クウネル』2024年7月号掲載 写真/玉井俊行、取材・文/吾妻枝里子

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『クウネル』NO.127掲載

くつろげる部屋が好き!

  • 発売日 : 2024年5月20日
  • 価格 : 1000円 (税込)

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