【住まいと暮らしvol.57】家具職人の夫と作った、季節の移ろいを感じる郊外の住まいーイラストレーター・ササキサキコさん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の平 結さんのバトンを受けてご登場いただくのは、イラストレーターのササキサキコさんです。

ササキさんの暮らしのルール

1)気楽に、頑張らない
2)工夫する
3)よく考え、言葉にしてみる

雑誌や書籍などで活動する、イラストレーター・デザイナーのササキサキコさん。家具職人のご主人の独立をきっかけに、10年前に現在の地に家を建てたそう。

「1階は夫の工房、2階が住まいと私の仕事場になっています。資金が少なかったので、住居部分の壁塗りや設備の発注、建具の制作なども自分たちで行い、奮闘しました。いまだにできあがっていなかったり、リニューアルする部分も多く、毎年少しずつ家のなかが変化しています」

インテリアを飾るのは、ご主人が作った無垢の家具です。

「無垢の家具は使っていくうちに色が変わり、なじんでいくのが楽しいです。食器は手触りや色味が変わったものが好き。作家さんの展示会などで購入することが多く、作り手の顔が見えるものを手元に置きたいと思っています。また、イラストレーターとして絵心をくすぐられるものが好き。特に版画の質感が好きで、飾ってみているとワクワクして心が満たされます」

畑や雑木林に囲まれ、目の前には山が見える環境のなか、季節の移ろいを身近に感じられる生活なのだとか。

「春の薄いピンク色から濃い緑、紅葉へと変化する山の色を眺め、次男と梅を拾ったり、知人のブルーベリー畑を訪れたり、畑で採れた野菜をお裾分けしてもらったり。引っ越してきた頃は話の合う友人がいなかったのですが、「たねまめ」というカフェのが主宰する年2回のマルシェを手伝うようになりました。私の絵を見ていただいてお話をしたり、子どもたちと一緒に大きな絵を描いたり、貴重な機会になっています」

2階の住まいにあるダイニング。「限られた住居スペースなので、子どもたち全員が、ここにいることが多いです」

家の目の前には山が。「この景色が気に入って、大きな窓を作りました」

ダイニングの照明はご主人作。「高さを調節できる滑車がついています。石は拾ったものです」

冬には薪ストーブが活躍。フロア全体をすぐに暖めてくれるそう。

飾り棚には、旅行先で買ったものや、友人の作品、拾ったものを飾って。

毎日目に入る場所に作品があると、心が充実するのだとか。

息子さんが拾ってきたという、木の実や種、海岸で拾った石は瓶に入れて飾って。

子どもたちが小さかった頃、怖がっていたというイボイノシシのお面。

天窓からの光と、お気に入りのシェーカーチェア。

家具はすべて、ご主人作。

ガラスでできたヒンメリ。「光がさすとキラキラと反射します」

子どもたちの2段ベットとクローゼット。「個室スペースの代わりに作りました。すべて夫が作ったものです」

保護猫だった愛猫のトコ、6歳。目はよく見えていないそう。

子猫のときに拾われてきた、10歳のあんこはプライドが高い。

ロフトへは梯子を使って。

ロフトがササキさんの仕事場。「高いところからの景色もいいんです」

夫婦共に在宅職のため、毎日家族全員で食卓を囲むのがお決まり。

朝は毎日コーヒーを淹れるところからスタート。

庭のジューンベリーを食べる息子さん。

つい最近リフォームしたという洗面所。「朝はよく陽が入り、すっきりします」

庭の木がよく育ち、緑に包まれているリビングの窓辺には、ときどき野鳥がやってくるそう。

4月末に行われた「たねまめマルシェ」の様子。「よく晴れて、のんびりとよい時間が流れました」

profile

ササキサキコ

イラストレーター、デザイナー。雑誌や書籍などで活動中。現在の住まいである相模原市の田舎で、近隣の仲間とともに「たねまめマルシェ」を年に2回開催している。夫、長男(中1)、長女(小3)、次男(4歳)、猫2匹と暮らす。
http://sasakisakiko.com

ササキさんがバトンを渡すのは、雑貨店「PEDLAR(ぺドラー)」を営む松井由起子さん。「数年前にお店に伺って、知り合いました。明るく元気で、長年1人でお店を続けていることを尊敬しています。こだわりぬいた家がとても素敵です」とササキさん。松井さんの暮らしは、6月上旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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