【いま巡りたい街】レベルの高い美食の街、神楽坂のおすすめスポット(前編)

今注目を集める東京の5つの街。地元を愛する達人に、地元民だからこそ知る隠れたスポットやとっておきの楽しみ方を聞きました。花街の風情とフランスの香りを色濃く感じる神楽坂は美食の街。 今回は料理研究家・脇雅世さんが太鼓判を押すフードアドレスをご紹介。

後編はこちら

『bertrand larcher le bretagne kagurazaka』日本一クラフトシードルがそろう、 名物オーナーのブルターニュ料理店。

レストランのスペシャリテ、ブルターニュ産ウィスキーでフランベしたオマール海老のロースト 1万500円(1~2人分)。

石灯籠がある庭や黒塀といった和の趣溢れるバーでは、5種類のシードルがグラスで楽しめ、3種の飲み比べメニューも。

芸者小道にある古民家を改装した風情ある佇まい。そば粉のクレープ(=ガレット)専門店「ル ブルターニュ」の店主、ベルトラン・ラーシェ氏が2012年に開いたレストラン。2021年にリニューアルし、「手前では自社輸入のクラフトシードルを、奥のレストランでは自然派ワインと共にブルターニュ料理が楽しめます」(脇さん)

bertrand larcher le bretagne kagurazaka(ベルトラン ラーシェ ル ブルターニュ神楽坂)

住:新宿区神楽坂3-3-6
営:〈レストラン〉 17:30〜21:00(L.O.)、土・日曜は11:30〜14:00(L.O.)も営業 〈バー&カフェ〉 水〜日曜11:30~14:00L.O.、17:30~22:00L.O. 土・日・祝日11:30~22:00L.O.
休:月曜・火曜(祝日は営業)

『HASABON』古い一軒家を改装した和モダン空間で、日本茶をテーマにしたフレンチを。

自家製ピスタチオペーストとレモン、塩だけで味つけをしたイカとなめことフェンネルの前菜は、煎茶パウダーがアクセント(コース 6,050円~の中の一品)。阿波番茶 650円と。

コースの最後は、デザートと共に小坂孝弘シェフが点てた抹茶を。

「懐石料理と日本酒のペアリングが楽しめる『ふしきの』の姉妹店。お料理がユニークです」(脇さん)。

オープンは2020年。築70年の一軒家をリノベーションした空間で、お茶など日本ならではの食材を用いたフレンチベースの料理を、ワインや日本酒、お茶とのペアリングで楽しめます。現代作家の器を紹介するギャラリーも併設。

HASABON(ハサボン)

住:新宿区横寺町30 神楽坂茶ノ木テラス101
営:水・木11:30~15:00(コースは14:00L.O.) 火~金17:00~23:00(コースは21:00L.O.) 土・日11:30~23:00(コースは21:00L.O.)
休:月曜・第3火曜

『Lugdunum Bouchon Lyonnais』リヨンに行った気分になれる、本格的な味とアットホームな雰囲気。

リヨンのブション(郷土料理とワインが楽しめるレストラン)を再現した温かみのある店内。

リヨン生まれのシェフ、クリストフ・ポコ氏の祖母の名を冠したリヨン風クネル モリセットゥおばあさんスタイル(コースの1品)。

毘沙門天のほど近く。2007年にオープンし、飲食店が立ち並ぶ本多横丁では老舗の風格。フランス第2の都市で、美食の街として知られるリヨンの郷土料理が味わえます。

「フランスから来日したシェフのゲストも多く、川カマスのすり身を甲殻類のソースと焼き上げたリヨン名物クネルやシャルキュトリーがおすすめ」(脇さん)

Lugdunum Bouchon Lyonnais(ルグドゥノム・ブション・リヨネ)

住: 新宿区神楽坂4-3-7
営:12:00~15:00(13:30L.O.)、18:00~22:30(20:30L.O.)
休:月曜・火曜

『Pain des Philosophes』生地そのもののおいしさを追求した、食事やワインとチーズに合うパン。

食事に合うハード系が中心だが、クロワッサン 320円や群馬県産小麦を使用したあさま山食パン 690円も人気。昨年、ビストロ「ドゥ ・フイユ」も開店。

オープンと同時に約15種類のパンがずらりと並ぶ。

榎の葉っぱがモチーフの看板が目印。

赤城神社裏手の相生坂沿い。パリ発のブーランジェリー「ドミニク・サブロン」のヘッドシェフだった榎本哲さんが2017年にオープン。

「小麦を知り尽くした凄腕職人が作るパンは、何を食べてもおいしい。近隣のシェフにも人気で、毎日早い時間に売り切れます。ワインで仕込んだ天然酵母のパンは彼のオリジナルです」(脇さん)

Pain des Philosophes(パン デ フィロゾフ)

住:新宿区東五軒町1-8
営: 10:00~19:00 (売り切れ次第閉店)
休:月曜

『BOLT』ワインだけでなく日本酒や焼酎も。肩の力がほどよく抜けたフレンチ。

フレンチがベースの創作料理で、基本はアラカルトだが、おまかせコース 8,800円もある。小肌と揚げ芋のり塩パンチ 1,800円をソムリエのマダムがセレクトしたギリシャの白ワインと。

カウンター10席。

2017年にオープンしたカウンタービストロ。リネンのナフキンにナイフ&フォークがセットされているものの、「本格フレンチの味わいを、肩ひじ張らずに楽しんでほしい」(仲田高広シェフ)とお箸も用意。ワインだけでなく焼酎や日本酒もラインアップ。

「飲むための料理という感じ。いつもつい飲みすぎてしまいます」(脇さん)

BOLT(ボルト)

住:新宿区箪笥町27  神楽坂佐藤ビル1F
営:17:00~24:00
休:月曜、第1・第2火曜

「神楽坂で暮らし始めたのは、次女が生まれた1990年。祖父母の代から住む夫に言わせると、本来の神楽坂は神楽坂下から神楽坂上まで。今は奥や裏など、いろいろな呼び名で江戸川橋辺りまで神楽坂が拡張しているようですね」

脇雅世さんにとっての神楽坂は、東西線の神楽坂駅から東京大神宮辺りまで。Googleマップにお気に入りの場所をマーキングしたマイマップを作っていて、神楽坂に来る友人に送っているそうです。

「かくれんぼ横丁を通ってねとか、ルートまで細かく伝えているんです」

ガイド紹介

脇 雅世/わき・まさよ

料理研究家。約10年フランスに滞在し、パリのル・コルドン・ブルー校や数々のレストランで料理を習得。帰国後、料理研究家として活躍。神楽坂で35年以上料理教室を主宰し、2023年に京都・西陣に料理スタジオをオープン。

『クウネル』2024 5月号掲載 写真/加瀬健太郎、近藤沙菜、取材・文/和田紀子

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『クウネル』No.126掲載

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