【いま巡りたい街】馬喰町…食とライフスタイル充実の街の注目ショップ(後編)
今注目を集める東京の5つの街。地元を愛する達人に、地元民だからこそ知る隠れたスポットやとっておきの楽しみ方を聞きました。馬喰町はセンスのいい店が集まる注目のエリアとして進化中。利用できる駅も多く、歩いて回れるので、旅気分でお店巡りを楽しみたいそんな馬喰町の人気ギャラリー&ショップ「組む東京」を主宰するディレクター、小沼訓子さんにおすすめのお店を教えてもらいました。
目 次
『minä perhonen elävä I』作り手の顔が見える食品や器で 日々の食卓に物語と彩りを。
さまざまな作り手の作品を紹介する場として長く愛されてきた栃木・益子のカフェ&ギャラリー「スターネット」の東京店を引き継ぎ、2019年にオープン。
「山形のタケダワイナリーのワインや神奈川・二宮のブーランジェリーヤマシタのパンなど、好きだったものが近くで買えるのがうれしい。手土産にも重宝しています」(小沼さん)
minä perhonen elävä I
住:千代田区東神田1-3-9
営:11:00~19:00
休:日曜 (展覧会会期中は無休)
『組む 東京』アートギャラリーも多い馬喰町の、 ものづくりと手仕事の発信拠点。
アートを学び、学芸員の資格も持つ小沼さんが、ものづくりをしている人たちの交流場所として、2015年に開いたギャラリー。2階のコミュニティスペースではワークショップなども開催。
「クリエイティブな人たちが集まり、話ができる人が増えていくなかで、愛着ある街だからこそ、ここから何かを、という想いで始めました」(小沼さん)
組む 東京
住:千代田区東神田1-13-16
営:企画展会期中 12:30~19:00
休:不定休(企画展会期中は無休)※http://www.kumu-tokyo.jp/で確認を。
『モラルテックス・ラボ 』“近所の縁側”として活用したい、 お茶も飲めるオープンスペース。
大手タオル問屋・日東タオルの社長、鳥山貴弘さんが、2017年に始めたタオルのショールーム兼ショップですが、ローカルや街を訪れる人が世間話をしながら縁をつないでいく場になることが、本来の目的。
「ほかにはない上質なタオルを、出産祝いなどのプレゼント用に購入することが多く、包んでもらう間にお茶をします」(小沼さん)
モラルテックス・ラボ
住:千代田区東神田1-2-2
営:11:30~16:00(L.O.15:30) 土曜/13:30~17:30(L.O.17:00)
休:水・日曜、祝日
『BERTH COFFEE』テラス席には外国人客も多く集い、 まるで海外のような雰囲気の一角。
話題の宿泊施設を運営するバックパッカーズジャパンが古いビルをリノベーションして、2017年に開業したホステル、CITAN。その1階にあるコーヒースタンド。
「当時、ここができたことで人々が行き交うようになり、生活する場として街の厚みが一気に増しました。馬喰町に来てくれてありがとうという気持ちです」(小沼さん)
BERTH COFFEE(バースコーヒー)
住:中央区日本橋大伝馬町15-2 03-6661-7559
営: カフェ:8:00~18:00 バー:日~木曜/17:00~23:30、金・土曜日/~24:00
休:不定休
『Bridge COFFEE & ICECREAM』老若男女、ローカルにも愛される、 街を象徴するカフェ。
100年近く前に建ち、東京大空襲でも延焼を逃れた伝説のビルに現代的なカフェができると、地元の人たちの期待も集めて、2017年にオープン。クリエーターの店主の情熱から生まれた店は、今や街になくてはならない存在に。
「古くからの建物が次世代に引き継がれ、素敵な店になって街に根付いているのは、幸せな光景です」(小沼さん)
Bridge COFFEE & ICECREAM(ブリッジ コーヒー アンド アイスクリーム)
住:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビル201号室 03-6825-8037
営:11:00~19:00
休:日曜 (展覧会会期中は無休)
『Bouquet』ビーバーブレッドでパンを買ったら、ここでお茶して。
飲み物をオーダーすれば、ビーバーブレッドで購入したパンもイートインできる店として、徒歩3分の所に2022年にできたカフェスペース。メニューもトーストやホットドックなど、ビーバーブレッドのパンを主体にした料理。
「朝は近隣に宿泊の外国人、日中はビーバーブレッドの袋を手にした女性客でいっぱい」(小沼さん)
Bouquet(ブーケ)
住: 中央区東日本橋3-9-11
営:9:00~17:00(L.O.16:30)
休: 月・火曜 ※詳細はInstagram:@__bouquet___で確認を。
地元愛溢れる人たちの尽力が、今日の街の魅力に。その志は今も各店に受け継がれていると、小沼さんはいいます。
「特徴のあるそれぞれの店が、ライバルではなく仲間のような関係で、〝この街のために貢献できることは何か〟を考えている。そんな気運のある馬喰町の店は、提供する商品はさまざまですが、どこも〝人と人との交流の場〟なのだと思います」
どの店もスタッフがフレンドリーで居心地がいいのは、そんな理由があるから。
ガイド紹介
小沼訓子/こぬま・のりこ
組む東京 ディレクター。父の仕事場だった馬喰町の倉庫を改装し、ギャラリー&ショップ「組む 東京」を主宰。キュレーター兼ディレクターとして、国内外の手仕事を紹介する企画展を行っている。中川ケミカルの取締役も務めている。
『クウネル』2024 5月号掲載 写真/目黒智子、取材・文/黒澤弥生、和田紀子