喫茶、マルシェ、ビストロ。フランス人料理家ならではの「京都お気に入りスポット」3選
歴史が大いに感じられ、自然が近く、美食に溢れる街・京都。 パリと京都は何かと共通点が多いこともあり、特にフランス人にとって特別なよう。
PROFILE
ローレンス・ペラン/Laurence Perrin
フランス、スイス、ロンドンの有名ホテルやレストランで経験を重ねてきた料理家。京都に引っ越して4年目。地元の食材を使ったレシピを紹介するブログで食文化を発信。
散策して見つけた お気に入りの場所
大手ホテルのシェフである夫とともに、世界各国を渡り歩いてきたローレンスさんが、京都で暮らし始めたのは約4年前のこと。自身も五つ星ホテルで腕をふるっていた料理人ですが、出産を機に第一線を退き、夫の赴任先で各国の料理を研究してきたといいます。そんなローレンスさんにとって、独自の食文化を持つ京都は、感性を刺激する街。
「歴史的な建築物や食文化など、フランス人の私から見ると興味深いものばかりですが、自然豊かでアートが身近にある京都という街は、すごく住み心地がいいんです。特に好きな場所は鴨川。散歩も楽しめるし、京都の動脈のような存在ですよね」
地元の食材を使った、オリジナルの家庭料理のレシピをブログで発信しているローレンスさんにとって、散歩しながら新しい店を発見するのは日課のようなもの。
「日本語が分からないのですが、あえてメニューを翻訳せず、隣の人が食べているものをオーダーして、新鮮な驚きに出会うのが楽しい。気に入った店には季節ごとに通って、メニューの変化を味わうのも素敵な体験です。来年には夫の転勤で京都を離れてしまう予定なので、それまでにたくさんのお店や食材を開拓して、自分の料理に取り入れていきたいです」
Sentido
「元々コーヒーが苦手なのですが、友人に教えてもらったこの店のコーヒーだけは、フルーティーで苦味が少ない好みの味です」とローレンスさん。
早朝からオープンしているので、散歩のついでに立ち寄ったり、友人とテラス席でおしゃべりを楽しんだりと、身近な存在なのだそう。
Sentido/センティード
住:京都市中京区笹屋町445 日宝烏丸ビル1F
営:平日/7:00~15:00、土・祝日/8:00~17:30
休:日
Instagram:@sentido_coffee
マルシェノグチ
「オーガニック野菜や果物のお店は、フランスでは一般的ですが、日本ではスーパーが主流ですよね。こちらのお店では、質の高いオーガニックの野菜や食材が買えるので、日常的に通っています」
オーナーの野口さんと、情報交換をしながら買い物するのも楽しいのだそう。
マルシェノグチ
住:京都市中京区西ノ京職司町69 IMPACT IKU 北 1F
営:10:00~19:00
休:日曜
https://www.marche-noguchi.com
カワラマチst.ソーヤ
居酒屋は、「ビストロのように気軽なところが好き」というローレンスさん。
「少し前に酒蔵を見学し、日本酒の奥深い世界に魅せられてしまいました。量をたくさん飲めるわけではないのですが、四季折々の旬のメニューと合わせて、店長おすすめのお酒を飲むのが幸せです」
カワラマチst.ソーヤ
住:京都市下京区河原町清水町282-8
営:15:00~23:00
休:不定休
Instagram:@kawaramachi_soya
【コラム】お茶に恋したフランス人、アレクサンダー・ニコラウさん
2020年、祇園近くにオープンした喫茶室兼茶舗の『曼荼羅茶』。自ら日本全国の農家を訪ね、厳選した茶葉が並びます。
「産地の風土や、作り方で異なるお茶の味を大切にする“テロワール”。そして、世界中のスイーツと合わせて世界の人に身近に楽しんでもらえるような“マリアージュ”がコンセプト」
スペシャリテは独自のつくり方でシャンパンのように泡立った水出し茶の〈泡茶〉。クリーミーで香りが豊かで、お茶に情熱を注ぐアレクサンダーさんがたどり着いた、日本茶の新たな魅力を感じることができます。
曼荼羅茶
住:京都府京都市東山区山城町278-1
https://ja.mandaracha.com/
『クウネル』11月号掲載 撮影/中島光行、取材・文/前谷莉衣、吾妻枝里子
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『クウネル』No.123掲載
私のとっておきの京都
- 発売日 : 2023年9月20日
- 価格 : 980円 (税込)