「コンビニのスイーツだって気になる」という、甘いもの好きなデコレーターの猪本典子さん。ここぞというときには、名店の代名詞的なお菓子で盛り上げます。日々のおやつでも、大好きなのは老舗の味。
珍しい味、新しいもの、さまざまなお菓子に精通しています。そのアンテナはコンビニのお菓子にだって巡っているというから驚きです。
「新聞を買いにコンビニに行くのですが、そこでお菓子コーナーも覗くのが日課」。そんな猪本さんが「差し上げ菓子」として挙げてくれたのは「グラン銀座」の苺のミルフィーユ。惜しまれつつ閉店した老舗フランス料理店の看板メニューを再現したものです。
「知人のレストランで開かれる誕生会などの差し入れに。『あのマキシムのミルフィーユ!』って、場が盛り上がるんです」
普段おやつには、気軽などら焼きをリストアップ。「どら焼きって、それぞれお気に入りの店がありますよね」。猪本さんは、黒糖の香りを感じるふん わり生地に、ふくよかなあんをたっぷりはさんだ「草月」の黒松が好み。
「ケーキは1個だけでテイクアウトしづらいのですけど、和菓子は少量でも買いやすいので、自宅菓子はもっぱら和菓子なんです」
●差し上げ菓子●
THE GRAND GINZAの苺のミルフィーユ
●普段のおやつ●
草月の黒松
猪本典子/いのもとのりこ
高校で日本画、大学で染色を学ぶ。主に植物や料理を題材にデコレート、自ら作品撮影も行う。最近はプロダクトデザインも手がける。『ニッポン弁当』(平凡社)など著書多数。
ku:nel2020年5月号掲載
写真 砂原 文 / 取材・文 鈴木麻子