今からでも透明感は取り戻せる?50代からのシミなど年齢肌の対処法を美容専門家に聞いた
日焼けやホルモンの乱れなどによって、年々、シミは濃く、広がっていくもの。シワは気にしないけれどシミだけはなくしたいと治療を考えている人も多いよう。どんなケアをすればいいのか、大人のシミの疑問と解決策を専門家に取材しました。
目 次
教えてくれたのは4人の専門家
根岸圭
ウェルクリニック院長
東京女子医科大学医学部卒業。医学博士。レーザーなど照射機器の日本人用設定も行なってきたベテラン医師。
岡部美代治
ビューティサイエンティスト
大手化粧品メーカーで製品開発などを長年手がけた、美白化粧品の進化を知るプロ。http://www.beautysci.jp
松本千登世
ビューティエディター
女性誌で美容や人物インタビューを担当。著書多数。化粧品や生活習慣が、肌も気持ちも変えることを実感。
海野由利子
美容・医療ジャーナリスト
効果実感できる美白化粧品が増えた’90年代からシミ取りレーザーを体験取材、シミ、色ムラの改善策を発信。
Q:大人のシミはなぜ消えない?
シミが濃くなった、増えたと感じるのはなぜ?
「シミは薄く小さな斑状で現れ、徐々に大きく濃くなることが一般的です。そのため、年月を経るごとにはっきり、大きく目立ち、数も増えます」と根岸さん。
更年期に入る40代後半からは「紫外線が原因のシミだけでなく、糖化による黄ぐすみ、炎症による赤み、摩擦による茶ぐすみ、さらにホルモンの影響を受ける肝斑も出現します。シミの部分ではメラノサイトがメラニンを過剰につくり続ける〝暴走状態〟になっているため、自然には消えません。ただ、くすみや赤みは適したスキンケアを続ければ改善の可能性は大。今からでも透明感や明るさは取り戻せます」(根岸さん)
Q:美白コスメは大人のシミにも効く?
「美白化粧品は処方も成分も進歩していて、何年か前の物とは使用感も違っています。今年は大人のシミに向けた製品が豊富。昔がっかりした経験のある人にも試してみてほしい」(岡部さん)
「市販の化粧品のレベルは年々向上。医薬部外品の表記があるものが安心」(根岸さん)
「コスメの美白ケアで改善可能だと思います。まったくなかったことにはできなくても、肌色の均一感、透明感は高まります」(松本さん)
Q:他にも肌悩みがあるのですが
シミだけでなく、乾燥やシワ、毛穴の目立ちなどのケアも気になるのが大人の肌。でも、だからこそ今の進化した美白コスメを知ってほしいと岡部さん。
「大人の肌状態にきめ細かく対応している、多機能の美白コスメがたくさん登場しています。だからエイジングケアもできるし、敏感な状態を落ち着かせて健康的な肌を保つこともできます。ただ、自分の肌や希望に合う製品なのか、よく確認をして、量や回数など使用法を守ることが大切です」
Q:実はケア不足かも。何から始めれば?
「大人は若い人のスキンケアと同じではいけません。 50代以降は皮脂の分泌が低下し、ターンオーバーが乱れるので肌表面が乾燥して硬くなりがちです。まずは洗顔、保湿と保護の基本ケアを見直しましょう」(根岸さん)
「あれこれ使うより、まずは美白もできる基本アイテムを」(岡部さん)
古い角質を優しく取り除ける拭き取り化粧水や、巡りをよくして代謝をサポートするアイテムでくすみを払って、うるおいのある明るい肌に整えましょう。
Q:肌をこするとシミが増えるって本当?
「本当です。タオルやティッシュ、マッサージや洗顔で肌を強くこすると刺激になり、肌の赤みが引かなくなりますよね。その赤みの正体は炎症。炎症はメラニンを産生するのでシミの原因になります」(根岸さん)
「大切なジュエリーや器のお手入れをするのと同じことなのでは?自分の肌を明るくみずみずしく保つため、できるだけ長持ちさせるためには、こすらず、丁寧に優しく触れること。たとえば、泡で出てくるプッシュタイプの洗顔料を選ぶと、泡がクッションとなるために肌をこすることを防げます」(松本さん)
『クウネル』2023年5月号掲載
写真/池田 敦 cask(静物)、イラスト/アベヨシコ、取材・文/海野由利子、編集/矢沢美香
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