パリ10区、オスマン建築のアパルトマンに、映画監督の夫とふたりで暮らすコリーヌ・モローさん。57歳の今も抜群のスタイルを維持し、大好きな服やアクセサリーを楽しんでいます。

「スタイリングの最後に必ずジュエリーで華を添えます。シンプルなシャツやデニム、ニットが私の定番アイテムなので、あわせるジュエリーによって印象が変わる。そんなパワーがあるのも、ジュエリーの素晴らしさですね」

たくさんのチャームを少しずつ集めていくのが今の楽しみ。その日、その時の気分で選び、組み合わせるというコリーヌさん。天然パールのネックレスはタヒチ産。「夫が現地で購入し、プレゼントしてくれたもの。絶妙なグラデーションが美しく、お気に入りなんだけど、重くて長時間つけられないのが難点です」

コリーヌさんのジュエリーは、ヴィンテージも含め、長い間愛用しているものが多いのです。

「一度買ったものは捨てない主義。だからこそ選ぶときは、本当に好きなものか、大切に使い続けられる？と自分に問いかけ、吟味してから選びます。〝処分する〟という考え方が嫌。いずれ娘たちに譲ることはあるけれど、それは処分でなく継承だと思います」

フランス人にはものを大切に使う国民性がありますね。

「日本は歴史と文化が培われ、それはフランスと共通していること。古くて素晴らしい、価値あるものを大切にするエスプリは変わらないと思います。あえて違う点があるのなら、フランス人は人と同じものを嫌います。だから古いものや家族から譲り受けた〝今は買えないもの〟を大切にするのです」