ファッションやインテリアに興味のある人は必見の映画です。今では多くの人に知られる北欧ブランド「マリメッコ」の伝説的な女性デザイナー、マイヤ・イソラの生涯とその作品をつづったものなので。

マイヤ・イソラは一九二七年、フィンランド生まれ。日本で言ったら昭和二年生まれということになる。森英恵さんの一歳年下。第二次大戦時は十代だったという世代。子どもの頃から紙の人形で遊び、十三歳にして家出。きびしい戦時下を生き抜いた......という、自立心旺盛な少女だった。

十九歳で女児を出産。その子を母親に託して、ヘルシンキの芸術大学に進学。ファブリックのデザインに活路を見出したところを「マリメッコ」の前身である「プリンテックス」社のアルミ・ラティアが注目。デザイナーとして雇うことに......。

結婚・離婚を三度ほど繰り返しながらも、「マリメッコ」の主力デザイナーになっていって、60年代半ばの〝花シリーズ〟の数々を生み出す......というサクセス・ストーリーだ。

もちろん、当時にデザインされた作品の数々が紹介されてゆく。その多くは、インテリアにも服にも通用する模様であることに、あらためて気づかされる。そこが、女であることの強みだったかもしれない。

マイヤ・イソラは2001年3月3日に亡くなった。 73歳......。