夫婦のいざこざの原因は伝達不足?大切なのは仕事と同じで「ほう・れん・そう」

〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーで、整理収納アドバイザーの青木美詠子さんはエッセイストとして活躍する傍ら、整理収納アドバイザーとしての活動も。そんな青木さんに家庭内での「報連相」について伺いました。

共に過ごす時間が長いほど、意外と怠りがちな「報連相」

「報連相(ほうれんそう)」ってご存知ですか。野菜ではなく、「報告・連絡・相談」の頭文字をとったビジネス用語で、会社では常識かと思います。組織では全員でこれをやらないと物事が円滑に進まず、トラブルの元にもなるはず。でも家庭ではどうでしょう。しっかり「報連相」できていますか?「そんなキチキチしてたら休まらない」と思うかもしれませんが、夫婦のいざこざって、この伝達のなさから起きることも多いと思います。

たとえば夕食担当の妻が、仕事や用事で忙しい時。大急ぎで必死につくっているのに、帰ってきた夫が長時間スマホを見ていたりすると、最後には「なんで少しは手伝ってくれないの!?」とキレてしまう、とか。もしくはあきらめて何も言わず、だんだん心が離れていくとか。でも、もし妻が事前に「ごめんね。今週忙しくなりそうだから、ごはんつくる余裕ないよ。どうしよう」とか、もしくはその場で「帰るの遅くなったから、ごはん遅れそう。手伝える?ダメ?」とか報告相談していたら、少しは違う結果になっていたかも。

「察してほしい」は通用しない!?

相手はエスパーじゃないので、あなたの心の中はまったくわかっていません。「え。見てたら、だいたいわかるでしょ?」と思うかもしれませんが、そしたら逆に今、旦那さんが考えていることってわかりますか?「今日は仕事しんどかったなあ。休みたいけど、なんで妻はいつも不機嫌なんだろう」とか思っているかも。

カボチャを煮る前。「ビタクラフト(無水鍋)」だと、この水量で5〜10分で完成。

家庭内でも「現状報告」は大事です

我が家でも言葉が足りずに、ケンカになることも多々ありましたが、少しずつ改善できた部分もあります。それは、なるべく「今の自分の状況を報告」しておくこと。うちは夫婦ふたり暮らしで、私は主婦業とフリーの仕事。夫は予備校講師なので職場に行くか、家でオンライン授業。ふたりで在宅も多いです。

私が以前よりも報告しているのは「来週、撮影前にバタバタすると思うけど、ごめんね」とか、「明日まで原稿でせっぱつまってます」とか。家事でも「晴れが今日だけみたいだから、シーツ全部取っ替えるけどいい?」とか(ベッドの反対側が夫のデスク。自分には常識でも、相手には突発的なこと)。

夫のほうも「2月中旬(受験シーズン)までは何もできない」とか、「採点作業で何日まで大変」とか言ってくれると「そうか」と把握できます。「今日は久々の休みだから、もうゆっくりする」と言われたら、「がんばったからね!ダラダラしなさいよ」と返事したり。

コミュニケーションを省エネしない

こんな予定の報告だけでも、心境の見えなさがだいぶ解消されます。最近はカレンダーアプリでスケジュールは共有しているご夫婦も多いと思いますが、「気持ちの共有」も進めると、思いやりも出せそうです。

簡単白和え。豆腐(水切りもせず)、ねり胡麻、酢、みりん、醤油を混ぜただけの衣。茹でた春菊に。

自分のなかだけで完結させない

また報告する際は、一方的に「報告を投げつける」のではなく、「相談も含んだ報告」を心がけたいと思っています。「私、忙しいんで」じゃなくて、「どうしたらいいかな」という雰囲気に。即解決はできなくても、報告しておけば、あなたがイライラしている原因もわかり向こうも考えてくれる余地はあると思います。

そして「報告していない」のは、「報告を投げつける」以下のことなのかも。仕事に置き換えると、プロジェクトの問題部分が開示されてないので、対策の取りようがない、そのうちトラブル発生、といった状況です。

すれ違いが多かったり、うまく話せない時は、連絡帳をつくって連絡事項および気持ちを報告してもいいのかもしれません。「おつかれさま。今日の家事育児は〇〇でした。私はひとりでやっている感じがして寂しい」とか。ラインでもいいですが、ノートのほうが書けそうな気もします。ただのメモでも。

これで少しでも変化があればいいですが、究極にはケンカで解決するのでもいいと思うんです。正直な気持ちの激しい報告合戦なので(ケンカもしなくなったら寂しいです)。でも疲れるし、傷つくし、仲直りも大変なので、それを防止すべく、事前にこまめな報告相談を心がけてみてはどうでしょう。

\aokimi’s memo/

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この記事の
プレミアムメンバー

青木美詠子

1963年生まれ。整理収納アドバイザーの資格をもち、不定期にさまざまな自宅セミナーを開催。個人へのお片付けサービスも行う。著書に『あおきみさんち、家を買う。』(マイナビ出版)など。長年実践する「冷えとり」に関する著書も。
https://www.aokimi.com/
Instagram:@aokimieko1616

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