1冊の本から知識が広がり、日常生活がさらに充実できることも。 食や健康、お金のことなど、毎日の暮らしに役立っているというおすすめの本を、それぞれの分野に詳しい人や読書好きな人たちに聞きました。
内野敏子さん/うちのとしこ
水引工芸作家(59歳)
熊本在住。水引工芸に加え、バスケタリー作家としても幅広く活躍。熊本・東京にて水引工芸教室を主宰するほか、国内各地、イタリア、サウジアラビアでも水引ワークショップを開催している。
「奥付け&芋づる購入」で読書をさらに楽しんで
水引工芸家の内野敏子さんは、かなりの本好き。新居を建てる際に自らが設計し、6畳ほどの広さをとった玄関を図書室にしてしまったほどです。「玄関に入れば、いつでも手持ちの本が見渡せる状態にしたいと思って。家の面積の割に、すごく贅沢な空間を造ってしまいました」
電子書籍もよく利用していますが、 日常に役立つ知識に関しては、やはり手で触ることのできる紙の本に頼るところが大きいと言います。 「本は奥付けを見て決めることも多いです。著者は違っても編集者は好きな本と同じ方ということもあり、的確な判断材料になります」
本を探すテクニックとしては「芋づる式」というのもあるのだそう「。今回ご紹介した例では、たなかさんの本でリンゴの話を読み、身近な果物だけれど、子どもの頃の知識でストップしているかも、と気づき、教科書を探す感覚で丹野さんの本に辿り着いたり」
年齢を重ねるにつれて、意味や関連することを丁寧に掘り下げるようにな ってきたと言います。そんな内野さんの選書を“食”を中心に紹介します。
『クウネル』2023年1月号掲載
取材・文/井出千昌、編集/黒澤弥生