【イラストレーター 飯田淳さんの手放せないもの】「美の巨人」から譲り受けた、インスピレーションの源。

飯田淳

長らくファッションの世界で活躍するイラストレーターの飯田淳さん。雑誌 『GINZA』のロゴデザインや、『オリーブ』の裏表紙の広告イラストといえばピンとくる方も多いと思います。そんな飯田淳さんが手放せないものが、アトリエの本棚に積まれた古い洋雑誌の束。時折その束に手を伸ばし、雑誌の中の世界〈1960〜70年代アメリカ〉にトリップするといいます。そんな「宝の山」についてお聞きしました。

飯田淳さんが「大先輩」と仰ぐ画家の金子國義氏から譲り受けたのが、 古いアメリカのティーン雑誌『seven teen』です。

ティーン誌『seven teen』
世界的に知名度の高かったティーン誌『seven teen』。 表紙のデザインもモダンで、洗練されている。
靴の広告ページ
気になるところにはフセンを貼って。靴を描く仕事のとき に参考にした、靴の広告ページ。「広告ページで さえも、とてもおしゃれでかっこいいんです」
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金子國義氏とは、とあるプロジェクトで一緒に。若かった飯田淳さんにとって、最初は緊張感ある仕事でしたが、回を重ねるごとに信頼を得、親密になっていったと振り返ります。

「金子國義さんのアトリエは宝の山でした。独特なインテリアセンスで、ものが多くて一見、雑然としている……。でもそこにあるものすべてが、計算のうえ配置されていて、乱れ方が美しくおしゃれ」。『seventeen』は、その「宝の山」 のうちの一部でした。

故・金子國義氏の作品集『青空』
故・金子國義氏の作品集『青空』は、扉に本人からサインをもらった貴重な一冊。本には、アトリエの写真も収められている。

飯田淳さんにとっては、やはりイラストレーションが関心事。大胆な線の使い方や、モチーフの表し方などが素晴らしく、ワクワクすると話します。

飯田淳
貴重な画集や写真集が並ぶ本棚も「宝の山」。作画が行き詰まると、棚の前の椅子に腰かけ、思索にふけることもしばしば。

「僕はイラストを描くとき、インターネットで情報を集めることはしません。 検索すれば、一発で画像は見つかるだろうけどしない。まずは想像。

それから、古い画集やこういう古い雑誌をめくりながらイメージをふくらませるんです。そこから『これだ』というシルエットや色に落とし込む」

「美の巨人」から譲られた宝は、インスピレーションの素なのです。

写真/有賀 傑 取材・文/鈴木麻子 再編集/久保田千晴

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