女優から刺繍作家へ。神津はづきさんがつくるグラマラスでチャーミングな刺繍。

神津はづきさん

「人様に針仕事を教えることになるなんて、私も家族もびっくり」。趣味で楽しんでいた刺繍が思わぬ転機をもたらして、50代半ばで神津はづきさんの人生は大きく動き出しました。

きっかけは女優の萬田久子さんの誕生日にプレゼントした、テーブルナプキンの刺繍。萬田さん本人の特長を可愛く、おしゃれに縫い取ったものです。これ素敵、私にもやり方を教えて、という知人たちの言葉に押されて、じゃ1回だけ、と刺繍教室を開きました。2017年、神津さんが55歳の夏のことです。

神津はづきさん

「それが、楽しい、もっと続けて、というお声をいただいて、いまは月2回、レギュラーでクラスを持つようになったんです」
 若いころから針をちくちく動かすことは好きだったけれど、学校で習ったこともない全くの自己流。「人に教えるなんて無理と思っていたけれど、まわりのみなさんに動かされて」教室は大人気です。そのセンスは下の画像にある作品を見ても一目瞭然。キュートでユーモア感覚もたっぷり。
「刺繍に決まりはないし、下手なほうが可愛いって思っていて。失敗したと思っても、そのまま続ければ何とかなったりします。好きなら、間違えてもそのまま新しいものにしていけばいい」
 刺繍で作ったブローチは去年から、パリのギャラリーで販売されることに。教室と同時期に大人のためのホームウエアのブランドも立ち上げました。これも、萬田さんから「おしゃれだけれど、カジュアルにリラックスして着ていられる服がほしい」というリクエストに応えたもの。夫とふたりの子どもを主婦として支えてきた 20数年。特にあせりもなく暮らしてきたけれど、50代の半ばに、新しいプロジェクトが一気に広がっていったのです。

ストッキングをベースに刺していく。

「昔と比べて、人生は長くなりました。50代だって捨てたものじゃない。
前向きにスイッチを入れ直したら、新しいドアが見つかるかもしれないんです。不思議なことですけれど、私にも起きたし、誰にでもあることなんじゃないか、って思っているのです」

「基本のステッチとかは全然教えない」教室は楽しく、いい空気。

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