高知の山のてっぺんに住む布作家の早川ユミさんは、コロナの前は、タイやベトナムバルセロナなどのアジアやヨーロッパの国々を家族と毎年旅して、日本に帰っては、おいしかった料理の味を再現してきたそう。自宅に訪ねる友人や知人たちにそんな料理が評判となり、著書の『畑ごはんーちいさな種とつながる台所ー』(文化出版局)が刊行されました。
趣のある、自然素材の調理道具が並ぶ早川ユミさんの台所から、レシピなどを毎週日曜、全5回に渡ってご紹介。シリーズの最後では、特別インタビューも予定。
フライパンで作るパエリヤと
生が美味しい冬瓜のマリネ
火の通りがいい中華鍋で作るユミさんのパエリヤ。
「バルセロナの名店では魚の身やあら、エビの頭でうまみを出して炒めてオーブンにいれてつくるのを見ました。そのつくりかたを応用してレシピ化しました」
マリネにすることが多いという冬瓜は、夏に収穫して、冬まで食べられる野菜です。「煮てたべるだけじゃ消費できず、生で食べたほうが、おいしくて感動。パリパリコリコリして口の中がさっぱり」
recipe
バルセロナ風パエリア
●材料(4人分)
米 …4合
鶏ガラスープ…900㏄
にんにく …2かけ
玉ねぎ …200g
えび …100g
いか …1ぱい
あさり …100g
魚のあら(あれば入れる) … 適量
いんげん豆 … 適量
パプリカ(赤、黄、オレンジ) … 各1/2個
レモン …1/2個
オリーブ油 … 大さじ2と1/2
塩 … 大さじ1
酒 … 大さじ1
サフラン … 少々
ターメリック … 小さじ2
粒こしょう … 少々
●作り方
1) にんにく、玉ねぎはみじん切りにする。いんげん豆は下ゆでして斜めにスライス、パプリカは細切りにする。レモンはくし形に切る。
2)えびは殻つきのまま塩と酒(分量外)をまぶして3〜4分おく。いかはワタと骨を取り除いて輪切りにする。あさりは砂抜きをした後、貝どうしをゴシゴシこすり合わせて洗う。
3) 鍋に鶏ガラスープを入れて沸かし、魚のあらを入れて中火でしばらく煮る。えび(出てきた黒い汁は入れない)、いかを入れたら火を止める。
4) 鉄鍋にオリーブ油を熱し、にんにくと玉ねぎを炒める。米、塩、酒、サフラン、ターメリック、粒こしょうを入れ、中火で米が透明になるまで焦がさないように炒める。
5)3のスープを800㏄注いでふたをして弱火で炊く。5分たったらふたを外し、一度米をひっくり返すように混ぜる。10分たったら残りのスープを足し、あさり、3のえびといか、いんげん豆、パプリカを添える。15分たったら火を止めて10分ほど蒸らす。
6) 最後にレモンを並べる。
yumi’s voice
「常滑時代にスペインから来ていた、いそうろうのモンターニャから教わってつくり、バルセロナへの旅でたべたおいしいお店のつくりかたをまねて、さいきんレシピ化しました」
旅に出づらい今、早川ユミさんの“旅ごはん”をつくってみませんか? 次回は、サラダのようにさっぱりいただけるキムチをご紹介。
※本記事は『畑ごはん ちいさな種とつながる台所』(文化出版局刊)からの抜粋です
早川ユミ/はやかわゆみ
アジアなどの布で手縫いの衣服をつくり、全国各地で展覧会をひらいている。夫の陶芸家の小野哲平の薪の窯たきを手伝ったり、種まき、木を植える。
『くらしがしごと土着のフォークロア(天然生活の本)』(扶桑社)、『早川ユミのちくちく服つくり』アノニマ・スタジオ、『からだのーと』自然食通信社など著書多数。http://www.une-une.com/
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『畑ごはんーちいさな種とつながる台所ー』(文化出版局)
料理/早川ユミ 写真/新居明子、きょう・よく レシピ原稿整理/山形恭子 構成/鈴木理恵