膨大な仕事の全貌に初めて迫る『和田誠展』開催中。好きなことを好きなだけ。12/19まで

和田誠展

イラストレーター、グラフィックデザイナーとして知られる、和田誠さん。そのほかにも装丁家、映画監督、エッセイスト、作曲家、アニメーション作家、アートディレクターなど、その仕事は多岐に渡ります。83年の生涯で制作した膨大な仕事の全貌に迫る、初めての展覧会が東京オペラシティ アートギャラリーで開催中。展示の様子をリポートします。

和田誠展
子どもの頃の絵から晩年の仕事まで、膨大な仕事を見られる見応えのある展示。

最初のコーナーでは、子どもの頃の落書きから学生時代に制作したポスター、大学卒業後に入社した広告制作会社「ライトパブリシティ」時代の仕事など、貴重な資料を時系列に紹介。谷川俊太郎さんとの名コンビで生まれた絵本や、ユーモアあふれるパロディ画、大学在籍中に制作した架空のLPジャケットやポスターなど、その豊かな才能に度肝を抜かれます。

和田誠展
ユーモアあふれる漫画や絵本も多数。
和田誠展
多摩美術大学在籍中に制作した架空のLPジャケットや、日本宣伝美術会賞を受賞したポスター「夜のマルグリット」などを展示。
和田誠展
なんと24歳で手がけた名作「ハイライト」の版下など、60年代の仕事も紹介。
和田誠展
『ぼくは王さま』(文・寺村輝夫)表紙 1967 理論社 多摩美術大学アートアーカイヴセンター蔵
和田誠展
膨大な仕事量にまず驚き!
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次は、初期の代表的な仕事の一つ、新宿日活名画座や草月アートセンターのポスターが実物大で展示された、圧巻のコーナー。その反対側には、40年間担当し、2000号分を制作した『週刊文春』の表紙も並び、その仕事量にただただ驚きます。

和田誠展
新宿日活名画座のポスターと、草月アートセンターの公演ポスター。圧巻の見応え。
和田誠展
『週刊文春』表紙 2017 原画や色指定紙、モチーフにしたオブジェなども展示されている。
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そのほか、レコードジャケットや装丁家としての仕事、CMや子ども向け番組のアニメーション、映画監督した作品の貴重な脚本や絵コンテなども展示。ロゴマークのデザイン、奥様の平野レミさんのためにデザインした眼鏡なども。断片的には知っていた和田さんの仕事の全てに触れることで、改めてその偉大さを実感できます。

和田誠展
『グレート・ギャツビー』(訳・村上春樹)装丁 2006 中央公論新社 装丁家として、丸谷才一や村上春樹などさまざまな作家と仕事をした。
和田誠展
『「徹子の部屋」の 30 年』表紙 2007 講談社
和田誠展
和田誠さんを象徴する文字。
和田誠展
「ガーリック・レコード」ロゴマーク 1970
和田誠展
数々の装丁の仕事。
和田誠展
平野レミさんのためにデザインした眼鏡。
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ミュージアムショップでは、展示会の図録やオリジナルグッズのほか、デザインしたワインラベルや装丁を手がけた本が多数並んでいるのも、和田さんならでは。誰もがどこかで触れたことのある、和田さんの作品。展示は来年4月からの熊本現代美術館を皮切りに、再来年にかけて北九州、愛知など全国を巡回する予定です。

©Wada Makoto
取材・文 赤木真弓 撮影 清水奈緒

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