【松永加奈のフランス便り30】実はとっても切実。パリの公衆トイレ事情。

松永加奈さん パリのトイレ

旅行で海外を訪ねた時に、意外に困るのがトイレ。清潔で明るい公衆トイレが充実している日本に慣れていると、不便を感じることはないですか?パリもそれは同じようで……。「本当につくづく、日本のホスピタリティと便利さはすごいと思います」と松永さんはため息を漏らします。

元日に街を散歩した時のこと。長い時間、寒い中を歩きまわったので、トイレに行きたくなりました。場所は市庁舎前、つまり街の真ん中だったのですが、ここで大問題発生。その周辺に「使えるトイレ」がなかったのです、さあ大変!

パリのトイレ問題は切実です。日本のようにトイレが使えるコンビニは無く、スーパーや地下鉄(メトロ)構内にもトイレはありません。ではトイレに行きたくなったらどうするか?デパートなどの大型商業施設、カフェやレストラン(飲食することが前提)、公園などにある有料トイレや公衆トイレを探します。それでこと足りそうな感じがしますが、大型商業施設があまりないうえに、トイレの設置自体が少なめ(そして壊れていて使えないことも多い)。公衆トイレの数は限られ、頼みの綱の飲食店は、現在コロナ禍で閉鎖中。さて、そんな中で緊急事態に陥った私。元日で目の前のデパートは休業、震えながらパリの中心で「万事休す!」…でしたが、営業していたパン屋さんで買い物がてら事情を話すと、快くトイレを貸して下さったのでした。ああ助かったー。

デパートのトイレは綺麗ですが「場所によるよね」というのが日本人たちの意見。ここはもともと強気のお値段の有料トイレ、現在は無料。

歩道の脇に忽然とある公衆トイレ。いまだに勇気がなく使えませんが、非常事態の際には私もきっと入るはず。設置場所は増えていてアプリで検索可。

公衆トイレは使用後毎回、個室内丸ごと自動洗浄されますが、乾燥システムが全く効かず中は常にびっしょびしょ。もちろんトイレットペーパーもびしょぬれで使えないとか…。

ヨーロッパではおなじみの有料トイレ。入り口で支払うか、コインを投入で開錠され中へ。用を済ませてドアを開けると目の前に清掃員が仁王立ちしていることもしばしば。

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その昔から衛生状態が悪いことで有名なパリ。外で利用できるトイレが少ないとはいえ、この21世紀になってもなお、その辺で用を足す人が多くてびっくりします(ポリスに見つかれば罰金)。近年、公衆トイレは増えてきたものの、1回の利用ごとに室内丸ごと水で自動洗浄するという、かなり大雑把な管理方法。ときどき清掃が入りますが、衛生面は気になるところ…。その点では有料トイレの方がまだ安心。利用料は0.5~1€ほどで、レベルに差はあれど清掃されているので、安心を買う気持ちです。

また、旧い建物の飲食店では、大抵地下か2階にトイレがあり、使われていない暗いフロアの片隅ということも。それだけでも不安になるのに、「鍵が壊れている」「水が流れない」「紙がない」「便座がない」というトラブルもしょっちゅう(フランス人はノックせずいきなりドアを開くので、鍵が壊れていると大変!)。なので、リノベーションされた明るく綺麗なトイレは、それだけでお店の印象がぐーんと上がります。

そんな事情から、私の中には「マイ・トイレマップ」があり、行動範囲のトイレ情報を常にキープ&アップデート。除菌シートやポケットティッシュの携帯もマストです。いろいろ不便がありますが、これがパリという街なので致し方なし。しかし先日、再び当面の大型商業施設の閉鎖が発表されました、あーあ。ということで早速トイレマップをアップデート。さらに不便な生活は、しばらく続きそうです。

一見綺麗なシャンゼリゼ通りの歩道ですが、脇の方で用を足す男性をしょっちゅう見かけます。有料トイレがあるのにー(小さく写るピンクの看板)。

旧い建物は狭い階段を下がる(か上がる)とトイレがあります。カフェではドアの開錠用コインを渡されたり、レシートに開錠番号が書いてある場合も。

デパートといっても全フロアにトイレがないのは普通。数も少ないので、寒い日などは特に混みます。あまりに混むと、男性用トイレを使う女性も続出。

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