【後編】フラワースタイリスト・増田由希子さんによる、暮らしの中に溶け込む花いけ。

2020年5月号P51増田由希子さん3

美しい花の写真が並ぶインスタグラムや、草木を上手に取り入れた暮らしぶりが多くの人を魅了しているフラワースタイリストの増田由希子さん。増田さんのこれまでの道のりをご紹介する後編です。
※【前編】はこちら

雑誌で見た作品に感銘を受け、作者であるフラワーアーティストの開く花教室の門を叩いた増田さん。
「アトリエでは、スタッフのまかないも任されました。先生曰く、野菜の切り方、味付け、器の選び方、それらすべてがお花をいけるセンスにつながっていると」。
増田さんの興味は暮らし全体に広がりました。そして、それは花とつながり、花だけで魅せるのではない増田さんの表現スタイルの礎となっています。

2020年5月号P51増田由希子さん2
増田さんのアトリエスペースの棚には花器がたくさん。「インスタグラムを通じて、海外のアトリエから作品を送っていただくこともあり、思わぬ出合いが増えました」

独立してから数年は、手探りしながらデコボコ道を歩きました。友人と一緒に花車を作り自由が丘の路上に花を売りに行ったり、インテリアスタイリングの 仕事に挑戦をしたり……。いくつかの転機があったけれど、鮮やかに思い出すのは花の専門誌『花時間』で、定期的に花の提案をする機会を得たことです。
「花のプロの雑誌なので、毎回、求められるものが高く中途半端が許されません。よりよい花の提案を必死で模索し、徹夜でウエディングブーケを作ったことも。写真の撮り方もこの撮影現場で学び、いまのインスタグラムにつながっているはず」

花と向き合う度、工夫して、考えて、「私らしい」花のスタイルが確立されていきました。それは、順風満帆だったら生み出されていなかったかもしれません。経験したさまざまな点がつながってこそのいま。その原動力は花が好き、ただそれだけ。
「花の教室では生徒さんにいつも言うんです。お花にはこうしなければいけないという正解は無い。草花が自然に咲いている風景を思い描き、自由にいけてくださいって」

チェストの上に飾られた花器。ヨーロッパのアンティーク、日本の作家ものなど。浅鉢、ジャグ、円錐形などさまざまな形を並べている。

玄関と同じ、キャンバス地に花の写真をプリントしたものを飾って。「雑貨っぽい感覚でさりげなく花の写真を飾れます。インテリアとのなじみもいいのです」

長年作り続けるオリジナルのワイヤー花器。「花を引き立たせるため、要素をそぎ落として、シンプルにガラス瓶とワイヤーだけで構成しました」

/

キーワード