【前編】花との出合いでたどり着いたいま。フラワースタイリスト・増田由希子さんの歩み。

2020年5月号P50増田由希子さん

お菓子と花、器と花、雑貨と花……。ストーリーを含んだ美しい花の写真をインスタグラムにアップし、圧倒的支持を得るフラワースタイリスト・増田由希子さん。増田さんの花と歩んできた道のりを、2回に渡ってご紹介します。

花瓶からこぼれるように伸び伸びと咲くミモザ、ガラスの浅鉢いっぱいに集まり、まるで小さな森のような景色をつくるムスカリの球根……。増田由希子さんのいける花には生き生きとした美しさがあり、その花たちが咲く野山を連想させる不思議な 力があります。

15年以上にわたり雑 誌や書籍で花の提案をし、ここ数年 ではインスタグラムでも発信。季節の花を主役にしたチャーミングな写真には世界中にファンがいて、その 数は25万人超えというから驚きです。
花と生きてかれこれ四半世紀。その道のりを語っていただきました。

2020年5月号P50増田由希子さん2
玄関前、階段下のコーナーにも「ようこそ」の思いを込めて、花を飾る増田さん。壁にかけた額は、書籍用に撮影してもらった写真をキャンバスにプリントしたもの。

遡ること数十年前。会社員時代、増田さんは休暇で訪れた八ヶ岳の野山に咲く草花の姿に強く心を動かされました。ちょうど、会社での仕事 に慣れてきたころ、このままこの仕事を続けるのか? 自分にしかできない仕事がほかにあるのでは? と考えていたころでした。

「風に揺れている可憐な草花にハッとさせられ、いつまでもこの光景を眺めていたいと思ったのです」 それからは信州で見た自然の風景がいつも頭の中にありました。会社近くの花教室にも通うようになり、草木への思いは増すばかり。

転機となったのは、とある雑誌で見た花の写真。草と花を織り混ぜたアレンジは、大胆で繊細、華やかで清純。その花束に、大自然に咲く草花の姿を見たといいます。作者は当時、名を馳せていたフラワーアーティスト。「これだ!」と思い、その人が開く花教室の門を叩き、のちにアトリエスタッフとなりました。
※【後編】につづく

2020年5月号P50増田由希子さん1
花を仕事にしようと思うきっかけとなったのは、瑞々しいグリーンと花を組み合わせたブーケ。今では当たり前のアレンジも、数十年前はとても新鮮に映った。

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