『umami bags』として長年、手縫いのバッグの制作を続けている江面旨美さん。
程よく力が抜けているのに、細部まできちんとおしゃれに見える、その独自のセンスはさすがです。
そんな江面さんに、冬のニットのコーディネートを教えてもらいました。着用しているのは、どれもプチプラといえばのあのブランド。絶妙な合わせ方とアイデアに脱帽です。
■カーディガンを重ねてアンサンブル風に
「クローゼットを見渡すと、黒、紺ばかりなんです。それに加えて、ベージュや白、茶なども少し……。最近は赤などを少し選ぶこともあるのですが、やはり落ち着くのは黒や紺なんですね」
そういってにっこりと笑う江面さん。冬のニットを使ったコーディネートをというオーダーに見せてくれたのは、そんな定番の黒と紺を組み合わせたスタイルです。
「『ユニクロ』の今季のカーディガンなのですが、手触りもよくて色のバリエーションも豊富。どこか上質感を感じさせますね。紺はとくに黒に近い深い色合いの濃紺。大人世代でも取り入れやすい気がします」
「いまは比較的、オーバーサイズを着るのが流行だけれど、私の場合は上も下も大きめだと、だらしなく見えてしまう。トップスはコンパクトに、ボトムスはゆったりとさせるのがバランスがいい気がします」
『ユニクロ』のカーディガンをサイズ違いで二枚組み合わせ、中の一枚はすべてボタンをとじ、クルーネックニットのようにするのが江面さん流。紺と黒の絶妙な色のニュアンスが生まれ、シンプルだけれど大人のこなれ感がグッと加わります。
■ベーシックなスタイルに小物で大人感を
現在、70代だという江面さん。40代、50代のころよりも、肩の力が抜けて、よりおしゃれを楽しめるになったと振り返ります。
「いま思うと、40代のころは少しでも若く見せたいと焦っていた気がします。でも、いまはどうやっても若くは見えないから、ある意味吹っ切れたのかもしれませんね(笑)」
「おかげで、チノパンやデニムなどのカジュアルなアイテムも以前より身に着やすくなったように思います。ただし、変に若ぶって痛い印象にならないよう、年相応に見えるようには気を付けています」
メンズライクの靴紐、大ぶりなシルバーアクセサリー、また、自作のバッグが、その印象付けの大きな役割を果たしています。
「冬は革のバッグがしっくり落ち着きますね。幅広の肩掛けショルダーは出番が多く、コーディネートを選びません」
肩肘は張っていないけれど、きちんと「自分らしさ」が表れている江面さんのチノパンスタイル。プチプラのアイテムの合わせ方もさすがです。
次回も、同じ『ユニクロ』の別のニットを使ったコーディネート例をご紹介します。どうぞお楽しみに。
江面旨美/えづらよしみ
東京生まれ。
武蔵野美術短期大学を卒業後、旧通産省中堅技術研修会でカバン作りを学び、1985年より個展でバッグの展示販売を行う。
現在は年に2回のペースで個展を開催する。
https://umamibags.net
インスタグラム:@umamibags
撮影/鈴木静華 取材・文/結城 歩