【2022年マイベストブック】『チェッコリ』店主・金承福さんが読むと絵を描きたくなる美しい詩集

書籍『引き出しに夕方をしまっておいた』の表紙

本に囲まれて暮らす読書好きな方々が、今年刊行された書籍の中で最も心に響いたおすすめの1冊をピックアップ。それぞれの作品の魅力を語っていただきました。今の時代を写しとった文芸作品から、生き方や想いに共感した本、学びのための本まで。新たな出合いのきっかけに、ぜひ手にとってみてください。

韓国注目の作家による絵のように美しい初の詩集

書籍『引き出しに夕方をしまっておいた』の表紙
引き出しに夕方をしまっておいた』ハン・ガン 訳/きむふな、斎藤真理子
菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞受賞のハン・ガンが、約20年間個人的に書き続けた詩60篇を収録。2,420円(クオン)

小説家として知られるハン・ガンですが、実は、詩人として文壇デビューしています。彼女の小説によく登場する鳥や風、月、雪といったモチーフや、明け方や夕方、夜など時間を表す表現が多いのが特徴。60篇の詩はそれぞれ一枚の絵を見ているよう。彼女の詩を読んでいると、絵を描きたくなります。

この詩集は韓国語ネイティブのきむふなさんと日本語ネイティブの斎藤真理子さんが翻訳を担当。ともにハン・ガンの小説の翻訳者で、巻末には2人の対談も収録されています。韓国での詩の位置づけや、ハン・ガンについて、共訳しながら悩んだことについて語っているので、ハン・ガンワールドに浸れます。手元に置いておいて、自分のことを見つめ直してみたくなったり、落ち着きが必要なときに読み返してほしいです。

『クウネル』2023年1月号掲載

写真/玉井俊行、取材・文/𠮷川明子、編集/矢沢美香

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