【2022年マイベストブック】ファッションエディター・大草直子さんが衝撃を受けた本

書籍『奇跡』の表紙

本に囲まれて暮らす読書好きな方々が、今年刊行された書籍の中で最も心に響いたおすすめの1冊をピックアップ。それぞれの作品の魅力を語っていただきました。今の時代を写しとった文芸作品から、生き方や想いに共感した本、学びのための本まで。新たな出合いのきっかけに、ぜひ手にとってみてください。

覚悟を決めて愛を選んだ生き方があまりに衝撃的

書籍『奇跡』の表紙
奇跡』林 真理子
男は著名な写真家、女は梨園の妻。数多の恋愛小説を手がけた著者が38年ぶりに書き下ろした真実の愛の物語。1,760円(講談社)

梨園の妻と世界的芸術家の、〝奇跡の恋〟を描いた林真理子さんの『奇跡』。私が惹かれたのは、その恋の物語だけではなく、覚悟を決めて、自分の人生を選びきれる女性が主人公だったからです。あまりの衝撃に、読後数日はぼーっとしていました。不思議なことに、その後、主人公の博子さんと仲良くなり、物語の深い部分を詳しく聞くことができたという〝奇跡〟も重なり、特別な1冊に。

書籍『きれいになりたい気がしてきた』の表紙
きれいになりたい気がしてきた』ジェーン・スー
「40代も終わりかけになって、ようやく女が楽しくなってきた」。大人の美の楽しみ方を考えるエッセイ44編。1,540円(光文社)

同年代、近い環境で育ったジェーン・スーさんとは、さまざまな共通点が。ファンなら誰もが思うことかもしれませんが、「自分のことを書いている」と興奮してしまうはず。ルッキズムへの違和感と意識、ジェンダー問題へのナチュラルな嫌悪感は、思わずうんうん、とうなずいてしまいました。電車の中など、人が大勢いるのに集中できる場所で読むのもおすすめ!

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