1970年開催の大阪万博の《太陽の塔》をはじめ、数多くの作品を通して幅広い世代の人々を魅了する芸術家・岡本太郎。芸術家人生を振り返る大回顧展『展覧会 岡本太郎』が、上野・東京都美術館で、2022年10月18日(火)から12月28日(水)まで開催!
大阪中之島美術館で開幕し、大盛況のうちに終了した『展覧会 岡本太郎』がいよいよ東京・上野へ。大阪中之島美術館と展示構成もがらっと変わり、 東京展のみの出品作も多数揃いました。今回の会場である東京都美術館ならではの新しい発見や体験に大きな注目が集まっています。
《太陽の塔》をはじめ、生命力溢れる作品で知られる芸術家・岡本太郎。本展は、代表作のみならず、これまであまり注目されてこなかった晩年の作品や未発表の作品とともに、岡本太郎の創作人生を網羅したボリューム満点の内容に。
◆岡本太郎の創作の歴史を網羅する、全6章で構成
まず第1章に入る前のセクションでは、時間軸やジャンルを超えて選りすぐられた作品群が迎えてくれます。会場内を自由に歩き回り、作品同士のぶつかり合いを感じることができる、この会場ならではの構成が見どころのひとつです。
続く第1章〜3章は、初期作品の紹介がメインとなっています。岡本太郎は18歳で仏渡後、30歳で徴兵されて6年間戦争へ。芸術家としての基盤を作った1930年代のパリ滞在期の作品は、戦災ですべて焼失してしまいましたが、のちに再制作された作品や、近年発見された初期の表現にふれられる貴重な絵画もここで鑑賞することができます。
◆人々の記憶に刻まれる数々の名作に改めて触れる
「芸術は大衆のもの」と考えていた岡本太郎は、自分の作品を売らなかったことでも知られています。代わりに生涯をかけて多く手がけたのが、公共に開かれたパブリックアート。
第4章では、のちの《太陽の塔》へ通ずる《太陽の神話》をはじめ、公共空間に置かれた作品や、生活用品や椅子など多種多様なプロダクトが展示されています。
そして第5章は、《太陽の塔》と《明日の神話》を同時に紹介。岡本太郎を象徴する2大作品ですが、同時期に並行して制作されていましたことから、同じ空間での展示が実現したそうです。
1970年の大阪万博のために制作された《太陽の塔》は、50分の1スケールの立体作品や内部模型、そして貴重なドローイングが展示。
現在も渋谷駅のコンコースに設置される《明日の神話》の巨大な下絵も。実物の壁画の3分の1の大きさですが、その迫力に驚きます。
そして最終章となる第6章では、晩年にあたる80年代の作品を中心に構成されています。今まであまり注目されることはなかった晩年の作品を見れる好機。
◆グッズが約300種類!充実のミュージアムショップも見逃せない
ミュージアムショップには、展覧会オリジナルグッズをはじめ、岡本太郎関連のグッズが約300種類が集結。特に展覧会限定アイテムは、どうかお見逃しなく。
東京展終了後は名古屋へ巡回するとのこと。『展覧会 岡本太郎』を通して、改めて岡本太郎の多くの作品とその魅力に触れることができます。
気持ち良い天気が続く、お出かけシーズンの秋。ぜひ足を運んでみてくださいね。
展覧会 岡本太郎
会期:2022年10月18日〜12月28日
会場:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
電話番号:050-5541-8600
開館時間:9:30~17:30(金曜日は〜20:00)※入室は閉室の30分前まで
休館日:月曜日
料金:一般 1,900円 / 大学生・専門学校生 1,300円 / 65歳以上 1,400円 / 高校生以下無料 ※事前購入(日時指定券)制
https://taro2022.jp/
画像:©︎岡本太郎記念現代芸術振興財団
取材・文/阿部里歩