【サルボ恭子さんの好きなもの】簡素な“用の美”に偏愛が止まらないアンダープレート

ザルボさんのお皿コレクション

出合ってしまったら連れて帰らずにはいられない偏愛アイテム。 厳しい眼でセレクトし、大切にしているグッズなど、 愛してやまない「もの」にまつわるストーリーをとっておきのコレクションとともにご紹介します。


骨董市での出合いがきっかけで集めるようになりました


木製の塗りの皿が机に並んでいる
メインで集めているのは木製の塗りのもの。

あるときサルボ恭子さんのインスタグラムに「なぜ私はこんなにも……」というコメントと共にアップされた一枚の写真。

そこには同じように見える木のお盆のようなものがずらり。 これは一体何で、なぜこんなにたくさん集めたのか。その謎が知りたくて、 サルボさんの元を訪れました。

サルボ恭子さんの骨董コレクション
「いつの間にか似たようなものが集まってしまい夫はあきれています」と笑うサルボさん。高さのあるものから、お皿にもなるフラットなものなど種類もさまざま。

「すごく説明しにくいのですが……総称するならばアンダープレートと言うのでしょうか。お盆ではなく、木製の飾り台のようなものなんです。骨董屋さんとかガラクタ屋さんみたいなところにさりげなくディスプレイで使われていたりするんですが、だいたい非売品で」

「こういうものがあったらいいなと漠然と思っていました。地方の骨董市のガラクタ箱のようなところで見つけたのをきっかけに、台湾やフランスなどの海外でも出合ったら買うようにしていて、気がついたら普通じゃない量が集まってしまいました」

骨董品のお盆とも皿ともとれるプレートたち
「お盆ともお皿とも言えない、台のようなものに惹かれます」

20年余りかけてゆっくりと集めたニッチなコレクション。先日整理をしてみてその量に驚き、思い切って半分以上手放すことに。インスタグラムにアップしてみたら思いのほか反響があり、 会員向けのオンラインストアに出品したところほぼ完売したのだそう。

「同じように見えるかもしれませんが大きさや色、デザインが少しずつ違って、どれもそれぞれに美しい。シンプルなものほど、どんな空間にもなじむのでいいんです。我が家もリミックスなので(夫はフランス人)、どんなス タイルにもリミックスできるものが好きなんです」

用途が決まっているわけではないので、使い方はアイディア次第。

お茶菓子や吸水、キャンドルがテーブルの上に置かれている
使い方はアイディア次第。サルボさんはお茶やお菓子をのせたり、玄関に置いて鍵やジュエリーをのせたりと、 日常のさまざまなシーンで活用しているそう。

「季節によってはお月見のしつらえに使ったり、小さな花瓶のステージにしたり、食卓で調味料をのせたり。実用的だし、キャンドルやジュエリーの台にすると、のせたものがぐっと引き立つ。控えめな〈用の美〉とでも言うのでしょうか。説明がしにくいこの存在に惹かれてしまうんです」

『クウネル』2022年7月号掲載

写真/玉井俊行 取材・文/吾妻枝里子

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