【映画から学ぶ素敵な大人】様々な過去を抱えながら前向きに今を生きる姿に〝チャーミングな大人〟は宿る

美木ちがや

「お正月休みは映画をたくさん観るぞ」という方に、『クウネル』のシネマセレクション。テーマは「素敵な大人」です。

チャーミングな大人の雰囲気を自然にまとえればいいけれど。そもそもどんなふるまい、姿がチャーミングか、映画の中に探してみます。トータルビューティデザイナーの美木ちがやさんにお話を伺いました。美木さんのエッジの効いた視点を参考に「チャーミング」を再考!

お話を伺った方。

美木ちがや/みき・ちがや

トータルビューティデザイナー

母・川邉サチコさんと「KAWABE LAB」を主宰。ヘア&メイクやおしゃれのアドバイスで多くの女性の「元気」を盛り上げる。コスメやファッションアイテムもプロデュース。
Instagram:@chigaya_miki

前向きに人生と向き合い輝くエイジレスな姿に惹かれる。

「様々な過去を抱えながら前向きに今を生きる、清々しい姿勢や自然なふるまいに〝チャーミングな大人〟は宿ると思います。シーンというより人物像全体が醸し出すムード。演じる女優のキャラクターが組み合わさるとより鮮やかになりますね」

美木さんは、チャーミングさがあくまで軽妙に表れている方に好感を持つのだそう。その典型は『恋愛適齢期』のダイアン・キートン

「服装、髪形、しぐさまできれいで若々しく可愛い54歳。いろんな経験を経ているくせにうぶな恋をして泣いたり喚いたり動揺します。大人の女性の微妙な心模様も、遂に失恋、ボロボロになっても仕事に転換して成功していく逞しさもポイント

 

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『恋愛適齢期』のダイアン・キートン

美木ちがやさん 映画

結婚歴1回の劇作家エリカ(キートン)は元・娘の恋人(ジャック・ニコルソン)と予定外の恋をすると同時に若い医者(キアヌ・リーブス)からも求愛を受ける。「原題『SOMETHING’S GOTTA GIVE』は何かを諦めなければいけないという意味。歳とともに諦めることは多くなるけれど彼女は諦めなかった!」。白いカジュアルウエアもシンプルな黒ドレスも似合いさすがなキートン。(2003年作品)

似た軽みに納得したのは『マイ・インターン』のレネ・ルッソです。

「ロバート・デ・ニーロ演じるベンは社内のマッサージ師フィオナ(ルッソ)に一目で惹かれますが普段の立ち居ふるまいから何かを醸し出していると思いました。彼女が離婚経験あり、娘3人、病気もしたけど回復、仕事は楽しい、そして、やっと付き合いたい人に出会えたと10秒で自分を語るあっさり具合は素直。初デートが友人の葬式になってしまい、喪服でピンクのクッキーボックスを持つ2人の後ろ姿もかわいくて」

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『マイ・インターン』のレネ・ルッソ

美木ちがやさん 映画

『マイ・インターン』のレネ・ルッソ

ベンはジュールズ(アン・ハサウェイ)の経営するオンラインアパレルの会社にシニアインターンとして入社。2人には徐々に絆ができていく。「ルッソ演じるフィオナはたおやかな佇まい。いろいろあったろうに明るく、姿にも心の置き方にもシンプルなチャーミングさがあります」。大人の落ち着いた交際が発展するのも道理。『恋愛適齢期』とともに監督はナンシー・マイヤーズ。(2015年作品)

 

「ちょっぴり野暮ったいのもツボ」な美木さん。ヴァネッサ・パラディ『ジゴロ・イン・ニューヨーク』で見せた姿は意外性もあって好き。

「宗教上のルールのもと、少し不思議でイノセントな出で立ち。厳格な女性ながらジゴロと禁断の恋に落ち、最後はジゴロから去って晴れ晴れと別れを告げる姿はチャーミングでした。ファッショナブルなフランス人女優が極地味な風情というのも逆にミステリアスで魅力的」

イラスト/竹田嘉文、取材・文/原 千香子、丸山貴未子

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美木ちがや

美木ちがや

トータルビューティデザイナー。母の川邉サチコさんとともにKAWABE LABを主宰。一人一人に合ったヘアメイク・ファッションスタイリングを提案。ジュエリー・ファッション・コスメなどの商品開発の他、フォトグラファーなどマルチに活躍中。
http://www.sachikokawabe.com/
Instagram : @chigaya_miki

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