〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーのKayoさんこと重盛佳世さんのライフスタイルエッセイです。『全くダメな英語が1年で話せた!』シリーズが累計28万部を超えるヒットを飛ばし、いまや「英語の達人」。そんな人気のKayoさんがイギリス留学中に「いいな」と思った習慣について紹介してくれます。
留学したての頃、街の至る所でカードが販売されていることを不思議に思いました。カード専門店はもとより、スーパーマーケットやデパート、村の小さな食料品店の一角にも必ずカードコーナーがあるのです。しかし、そこで生活していくうちに徐々にその需要について理解していき、私もイギリスの「カード文化」にどっぷりはまるようになったのでした。
イギリスではカードを贈る習慣が根強くあります。誕生日やクリスマスはもちろんのこと、お礼を伝える「Thanksカード」、祝いごとの「Congratulationカード」、病気やケガがよくなるようにと願いを込めた「Get well soon カード」、出産や結婚などの記念日、イースター、母の日、父の日……と種類はいろいろ。
ギフトにちょっとしたメッセージをつけたり、カードだけで送りあったり。中でも私が好きだったのが「Thinking of youカード」。このカードは相手が元気かな?とか、あれからどうしているのかな?など、ちょっと気にかけているときに贈る、いわばマルチカード。ある日突然、何でもない時に「Kayo、元気にしている?」とこのカードが送られてくると「あぁ、私のことを気にかけてくれているんだ!」とジ~ンときます。
この「気持ちを言葉にして送る習慣」は、とてもあたたかい文化だと思います。カードを贈るときには相手のことを思っているし、もらった側は送られる方は相手の真心を受け取れます。こんなことを恥ずかしげもなくどんどんできる人たちって素敵だなぁと。
その文化にどんどんはまっていった私は、市販のカードでは物足りず、終にはオリジナルカードを作っていました。通常、カードはその時期が終わると破棄してしまうのですが、「kayoのカードは永久保存だ!」と言ってみんなが保存してくれていたのです。
日本に戻ってきてからも、向こうで知り合った友人たちとのカードのやり取りは続いています。昨年のクリスマスにもあたたかい贈り物がとどきました。コロナ禍でも変わらない大切なコミュニケーションです!
【Kayo’s message】
Dearest ~
最愛の~さんへ
手紙やメールなどの文頭に付ける宛名には、ふつうTo ~ (~さんへ)やDear ~(親愛なる~さんへ)をつけますが、ネイティブはDearestを使ったりするんです。日本語では訳しにくいのですが、「親愛なる」の最上級の表現!なんだかよいと思いませんか?私も仲の良い友人間で使っています。実は、先日も日本で若い友人(海外生活経験者)からDearestが付いたメモをもらってほっこりしました。
※注意: このDearestは、いつでも!誰にでも!というわけではありません。フォーマルな場ではNG。あと…、ヘタに異性に使ってしまうと、へんな誤解をされて面倒なことになる可能性もあるので、使う相手にはご注意を(笑)。
●重盛佳世さんのこれまでの記事
◎アラフォーでの人生大転換。38歳で退社、直感に導かれるままイギリス留学を決めた話。
◎健康な老後のポイントは歯!ある言葉をきっかけに、大人になって歯の矯正をした話。
◎コロナ禍で2年近くも会えていない母へ。 シルバーカーにはレインコートが必需品! 【2021年買ってよかった】