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2020年3月17日から政府から厳しい外出制限令が出ているフランス。在パリのクウネル・サロンメンバー松永加奈さんに、いまの暮らしについて綴ってもらいました。
先月、3月の半ばからフランスはロックダウン(都市封鎖)に入り、外出規制がかかっています。日本に住む友人たちからは「食べ物はある?」「トイレットペーパーは大丈夫?」と心配されていますが、自分で外出証明書に必要事項を記入して携帯すれば、必要な買い物や軽い運動には出られるので、規定に従って粛々と行動しています。但し、外出は1日1回1時間の1キロ以内、個人行動厳守(同居家族はOK)。外出先で友人と集まることは禁止です。
報道の映像には、静まり返ったパリの街に行き場のない雰囲気が漂っている…という光景が映っていますが、当然ながら大人も子供も、毎日の暮らしを継続中。テレワークやオンライン授業、家事はもちろん、たまった本を読む、クローゼットを片づける、ヨガや体操をする…など、意外にやることはいっぱい。みんな決まった範囲の中で工夫しながら、前向きに生活を続けています。
そんな中で流行っているのが「オンラインアペロ」。インターネット上で友人たちとつながり、画面越しにアペリティフする(軽く飲む)というものです。私も友人たちとグラス片手に、画面を通じておしゃべりを楽しんでいます。また、SNS上でアイディアを共有したり、共感してもらえることのありがたさも、日々実感しています。
いまフランスでは、過酷な環境で働く医療従事者や、ライフラインを維持するために働く人々へ感謝とエールを込めて、夜8時に窓から一斉に拍手をおくる運動が広がっています。我が家でも毎晩感謝の気持ちを込めて「ありがとう!」と拍手しながら、きちんと自己管理しようと気持ちを改める時間を過ごしています。
パリは夏時間になり、暗く長い冬が終わりました。暖かくなって緑が次々と芽吹く様子を見ながら「窓辺の日向ぼっこも悪くないな」と思う、今日この頃です。
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