使いやすいキッチンを追求していたら道具はすべて「出しっぱなし」に行き着いたという福田春美さんのキッチン。「 出しっぱなし」 で丸見えだからこそ、本当に好きなものだけで揃えています。惹かれるのは、味のあるデザインや形。素朴で味わいのあるツールたちがお料理を作る際の大事な支えになってくれています。今回は、そんな様々なキッチンツールをご紹介します。
◎シリーズ連載
■1■使いやすいキッチンを追求したら「出しっぱなし」に行き着きました。ブランディング・ディレクター福田春美さん。
■2■「出しっぱなしキッチン」はまるで道具のギャラリー!福田春美さんのキッチンの工夫。
カッティングボード
いまは開催されていませんが、自宅に友人を招いて食事を振る舞う「Hamiru亭」のときに大活躍。「ただ野菜やチーズなどを切っただけ、並べただけで素敵に見せてくれる魔法のアイテムです」。割れないし、器代わりになるからと、旅先に持参することも。
塩壺
お土産でいただくことも多い塩。サラダはこれ、炒め物にはこれ、と何種類もの塩を料理によって使い分けている。作家もの、民芸、骨董など、さまざまなタイプの蓋つきの壺に入れて。中身の塩は壺で判別。一軍としてよく使う塩壺は、コンロの脇に置き、調理中にすぐ使えるようスタンバイ。
両手鍋
京都にある「鍛金工房 WESTSIDE33」のアルミの両手鍋。槌目と呼ばれる金づちの跡が模様のようで、佇まいが美しく、食卓にそのまま出すことも。「和でも洋でも、とにかく万能に使えます」。吹きこぼれにくいよう、縁に段が付いている。
急須
急須やポットもたくさん持っている。黒い方は益子の「スターネット」のもの。白い土瓶は雑貨店で購入。蓋が割れてしまったので、自分で金継ぎをして使っている。お茶や、お茶請けの種類、気分によってポットを使い分けるのも楽しい。
岩手作家の器
作家と出会う機会も多く、気になる器はどんどん暮らしに取り入れる。白の粉引きの湯呑みは、大江憲一(のりかず)さん作。黒のシリーズは菊地亨さん作。「土器っぽい雰囲気が気に入っています」。プロデュースする原宿の茶食堂「SAKUU 茶空」の器も依頼した。
福田春美/ふくだはるみ
ライフスタイル全般をブランディング。直近の仕事では、北海道のお茶メーカー「土倉」の新ブランド「土熊」を立ち上げた。Instagram:haruhamiru
『ku:nel』2021年5月号掲載
写真 柳原久子 / 取材・文 鈴木麻子
●キッチン探訪、そのほかいろいろ
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