長年の経験で培ったセンス、そしてこだわり。マダムたちの暮らしには、おしゃれのヒントがいっぱい。彼女たちがごく自然にインテリアに取り入れているパリ・テイストを学んでみませんか。今回は中庭のある田舎風の家に住む、マリオンさんの部屋をご紹介。
マリオン・オーディエさん
Marion Audier
フローリスト 42歳
この家に住んで 3 年。以前はイベントの装花 のみでしたが、今は店も経営。映画『マリー・ アントワネット 』に装花アシスタントで参加。
このアパルトマンは、通りに面した部屋を花屋にし、裏を自宅にリノベイト。アンティーク好きなので、内装は50年代のまま、まったく手をつけ ていません。とくに好きなのは小さなキッチン。 リノリウムの床を剥がし、下に敷いてあったタイルも復元したんです。部屋の中にあるアンティーク家具は、海外で見つけた50年代のものが中心。 部屋で使い、しばらくすると店で販売します。そうすれば、また新しいものを見つけられますから。
Living Room
カーペットは70 年代のアンティーク。ローテ ーブルは大理石に一目惚れして購入。ソファ はベルギーから運び、グレーのクッションを マリオンさんが手作り。好きな写真を並べ、 カーキ、イエロートーンの大人っぽい空間に。
Decoration
読書が好きなマリオンさん。 本の背表紙を手前に積み上げ、 オブジェのようにディスプレイ。
たくさんの鏡がついた壁のオブジェは、アンティーク商の友人と買い付けに行った際、ホテルの廊下にあったものを気に入り譲ってもらったそう。アンティークの花瓶にアレンジした花を飾り、楽しんでいる。
寝室の暖炉の上に飾った絵は、祖母の家にあったもの。もともとは貴族という家系だが「 大したものは残っていないわ 」と。
Kitchen & Teatime
コンパクトながら使い勝手のいいキッチンが奥に見える。家にいるときはこのテーブルで過ごすことが多い。
フランス全土にある、一般家庭で不要になった品をリサイクルして販売する慈善的活動を行う団体〝エマウス 〞。花柄のカップ &ソーサーは田舎のエマウスで購入。シルバーはマリオンさんが両親から譲り受けたもの。バラとワインレッドカラーのクロスがエレガントな雰囲気に。
Bed Room
ベッドリネン類はマレ地区にあ るル・モンド・ソバージュで買 ったもの。布製のソファは道で拾ったとか。「 置きたい場所にぴったりのサイズだったんです 」。シャンデリアはベルギー で見つけて購入。
『ku:nel』2017年1月号掲載
写真 篠あゆみ/コーディネート 石坂紀子/編集・文 今井 恵