持ちもの全面見直しで衣類はラック1台分、靴は4足だけに【50代しょ~こさんのダウンサイジング記・後編】
シンプルでミニマムな暮らしが注目されています。年の区切りのこのタイミングで、暮らしの「ダウンサイジング」を考えてみませんか?お気に入りだけが並んだクローゼット、必要なものをさっと取り出せる棚……。ものに縛られず、過去に捉われず、軽やかに生きる二人の女性に話を伺いました。
Instagramフォロワー数20万人超え、シンプルでポジティブなライフスタイルをテーマに発信し、同世代の女性から圧倒的な支持を得ているインフルエンサーのしょ~こさんです。前編/京都の築45年の団地をさっぱり整えたら人生が上向きましたからの続きです。
※内容は取材当時(2025年7月)のものです。
〝旅〟という新たな視点が 取捨選択の基準に
思い入れのあるものを手放すにあたり、考えた方法は〝おうちフリマ〟でした。インスタグラムのフォロワーを中心に大盛況となり、大好きだった家具、大切にしていた雑誌、作家ものの器、鏡やラグなどを直接、新たな持ち主の顔を見ながら引き継げたことで、気持ちのうえでも納得がいく手放し方となったそう。
ワードローブもラック1台分のワンピースや冬のアウターのほか、Tシャツやスウェットもぐっと減らしてほぼ処分。靴下もよく履くものを6足だけ残しました。京都市指定の黄色いゴミ袋に5袋以上、今後もう着ることがないであろう衣類があったといいます。靴も歩きやすいお気に入りを残して半分に。スニーカー2足、ローファー、ブーツの4足のみがいまは玄関に並びます。
この家の象徴だった、キッチンの青いタイルとももうすぐお別れ。最小限の食器と台所道具はいったん東京の住まいへ送り、その後は検討中。
「スーツケースに入るか、そして旅先で快適に過ごせるか、が取捨選択の基準となりつつあります。飛行機の中でリラックスできる服や、散歩しやすい靴など、新たな視点が生まれました。旅先でも運動したいから、朝起きてすぐ出かけられるヨガウェアなどが便利なんです。食事に行くときにワンピースは必要なので、今日着ているこの服は残す予定。最終的には、動きやすい服、ワンピース、アウターの3種類に絞られるんじゃないかと考えています」
さらには、2022年に最初の転機が訪れてから大切に育ててきた観葉植物を、愛情を込めてお世話をしてくれる人に譲ることに。
「2拠点生活でもなんとか持ちこたえてくれていたのに、突然元気がなくなり、なんだか自分の内面の変化を反映しているように思えて。この家でできることは、もうやりつくしたのかな?と腑に落ちました」
多くを手放すなかで 最後に残ったものとは?
なんとも潔く、清々しいほど過去から解放されていますが、名残惜しさも無くはない。現在、京都の家にあるものは、約5割を処分したところ。最後まで残った捨てられないものとはなんだったのでしょう? 元ライターという職業柄もあり、大切にしていたのが蔵書。自身が執筆した媒体含めて大半を手放したものの、かごひとつ分の愛読書が残りました。
最後まで捨てられなかった愛読書はかごにまとめた。最近は機内での読書が多く、気になる新刊は電子書籍で購入して読んでいる。
「手放すということにも、段階があるんです。これどうしよう?というものがどうしても出てくる。やっぱり、執着があるんですよね。ただ、こういった逡巡と向き合うことも大切な時間。本はひとまず、東京へ持っていくつもりですが、次のフェーズで手放すかもしれません」
ひとり暮らしになって食事もシンプルになり、作家ものの器もふだん使いの数枚を残して手放した。お箸は娘が来たとき用にと2膳を置いている。
愛読書以外には、小さな木箱ひとつ分までなんとか減らした子どもたちの写真も手もとに残りました。幼い頃の絵日記や作品は、子どもたちにどうしたいのか希望を聞き、取っておきたいと答えた娘には手渡す予定だそう。
変化する自分を楽しみつつ 挑戦する生き方を
京都での日々はしょ~こさんにとってすでに過去の記憶となり、心はもう残りの人生で、未知の体験をする期待にあふれているそう。
コロナ禍中、不安だった心を癒し、人生を変えるきっかけをくれたベランダ。京都に戻って来ると、今でも1日1回はここから空を眺める。
「そこでどう変わっていくのか、自分でもわかりません。旅先で出合った場所に暮らしたいと思うかもしれないし、日本で全然違うことを始めるかもしれない。無理はしない、でも変化を恐れず身軽でいたい。ものを手放すことは、自分自身を見つめ直すこと。そこで、自分が本当に大切なものが見えてくると思うんです。ただ、最終的に多くを手放したとして、それでも心を平穏に保てたなら、それは何があっても揺るがない真の強さや自信につながっていくのではないでしょうか。いまは、暮らしをコンパクトにして限られたものとお金で暮らしましょう、という流れがありますよね。それもシンプルでいいなと思うのですが、私は暮らしをダウンサイジングしたうえで、それだけではない、新たな何かに挑戦する生き方もあるよ!と伝えていきたいです」
ダウンサイジング年表
しょ~こさんの「ダウンサイジング」のこれまで
2007 年/40歳
3人の子どもを抱えて離婚。京都郊外の築45年の団地に引っ越し、シングルマザーとして仕事と育児に手一杯の日々。
2013 年/46歳
長男、次男が独立し、娘と二人暮らしに。インテリア誌のライターとして日本全国を忙しく駆け回るなか、部屋は散らかり放題で不用品があふれていた。
2021 年/53歳
コロナ禍で仕事が激減。時間ができたことから2年がかりで部屋を片付け始め、そのプロセスをインスタグラムで発信したところ、フォロワー
15万人を超える人気アカウントに(2025 年9月現在23万人)。
2023 年/55歳
初めて制作した電子書籍『しょ~こジャーナル』も好評を博し、著書の出版につながるなど人生が変わり始める。ライター休業宣言をし、自己発信の仕事へ方向転換。
2024 年/56歳
東京に新たな住まいを借り、京都と行き来する2拠点生活へ。海外を旅する機会が増え、関心が家具や生活道具といった〝もの〟から〝体験〟へと変わり始める。
2025 年/58歳
18年暮らした京都の住まいを近々引き払うため、持ち物を手放し始める。今後は東京で娘と二人暮らしに。現在借りている古民家から、新たな住まいへ引っ越しする予定で準備中。
PROFILE
しょ~こ
デジタルクリエイター 57歳
インテリア誌のライターを経て、現在はインフルエンサーとしてしなやかで実験的な生き方を発信中。3冊目の著書『50代、「心地いい暮らし」は自分でさがす』(PHP研究所)が発売されたばかり。
Instagram:@shosworks
写真 山口健一郎 取材・文 野崎泉 『クウネル』2025年11月号掲載