時を経て味わいを増したアンティーク、旅の思い出が詰まった雑貨など、愛すべきものに囲まれて暮らすヴァレンティーナさんを訪ねました。
イタリアとフランスでセレクトショップを経営するヴァレンティーナさん。数年前にパリにもショップを開き、ふたつの国を行ったり来たりする生活に。
「身の回りや家の中で使うものは、ストーリーがあるものが好き。だからアンティークや旅先で見つけたものが多くなります」。蚤の市に出かけ、自分のアンテナに響いたものは積極的にストーリーを尋ねています。
「大きな木の幹をくりぬいて作った素朴なオブジェが気になり、出店者に話しかけたところ、農家のおじさんが作ったという、昔の動物用の器でした。いろいろな大きさのものを買い、もちろん私も使っていますが、最終的に店の顧客の洗面台になったものもあるんです。そんな意外性に惹かれます」
インテリアでは古いものと新しいものをミックスさせ、そのコントラストが面白いと感じています。たとえば昔、職人が使っていたという武骨な家具の上に、繊細な陶器を並べてみたり。「スタイルや時代が違うものを色だけを合わせたり、素材が違うものを色で合わせたり。あれこれ組み合わせ、個性が表現できることが喜びなんです」
写真 篠 あゆみ/コーディネート 石坂紀子/文 今井 恵