60代の片付けビフォーアフター/前編。母の他界、仕事の独立を機に住まいのアップデートに着手したら…

本当に気に入ったものがあればたくさんはなくていい。その分、ひとつひとつに思いを込めて。暮らしをコンパクトにしたら、風通しが良くなりました。眠りのデザイン研究室「衣香舎」主宰の吉田豊子さんのお片づけの記録です。

人生初、自分のための快適空間づくりに挑戦。

高度経済成長期に建設された大阪・千里ニュータウンの近く、築50年のマンションに吉田豊子さんは娘さんと暮らしています。家族の思い出とものが多く詰まった住まい。

「母との同居が長く、母が心地よく暮らせるレイアウトや昔から大切にしているものを中心とした住まいでした。母が他界して5年。私も仕事環境が変わり、住まいの大切さに目が向くようになったんです」

【Before】

ダイニングテーブルの周囲には仕事用の資料が積みあがり、お気に入りのソファにもものがあふれて。

【After】

心機一転!木製のモダンデザインが気に入って購入した『アプロス』の照明を中心に一掃。テーブルの向きを変え、書類は壁に新たに備えたキャビネットに収納。

30年以上にわたりナイトウェアの開発、百貨店の売り場づくりなどに携わってきた吉田さん。その間は大阪と東京を往復する多忙な毎日で、自分にとっての心地いい暮らしに目を向ける余裕もないほど。

「一昨年から念願だった日本での暮らしを豊かにする活動や、上質な睡眠のための国産パジャマ制作を始めました。そのため、自宅が仕事場に。しかし、母親のもの、私が大好きな服で、家中ものだらけ。仕事では何度もライフスタイルのイメージづくり、トレンドに合わせた空間演出のビジュアル制作を行ってきたものの、自分の暮らしは二の次、三の次。自宅で仕事をすることになり『自分にとっての居心地のよさって?』と、人生で初めて自問自答し、一念発起!整理整頓を決めました」

快適空間をつくるインテリア。

【After】
40年以上愛用していたダイニングテーブルの椅子は座面も劣化し、かなりのお疲れ状態。「この機会に思い切って張り替えをしよう!」と決心。近所の商店街で若い職人さんと出会い実現。「丁寧で早い仕事ぶり、そして色も素材も満足です」

【Before】
40年以上愛用していたダイニングテーブルの椅子。

「ゴールドの椅子は数年前に購入しました。丁寧な仕事ぶりや温もりを感じるアンティークが好きです」

玄関ホールにある鏡、上記画像の鏡とゴールドの椅子はすべてアンティーク。

築50年ほどのマンションはゆったりとした間取り

1979年に両親が購入したマンション。5LDK100平米のゆったりとした間取り。廊下や各部屋は両親のものなどが多数あり、なかなか整理ができなかったそう。今回は暮らしのメインルームでもある、仕事場も兼ねたリビングダイニングを整理整頓してスッキリと。

⇨後編に続きます。

PROFILE

吉田豊子/よしだ・とよこ

眠りのデザイン研究室「衣香舎」主宰 66歳

30年以上ナイトウェアやリラックスウェアを作る現場に入り2万点以上の製品開発に参加。その経験を生かして暮らしを豊かに過ごすための研究室やブランドを設立。

『クウネル』2025年5月号掲載 写真/玉井俊行、取材・文/河田実紀、間取りイラスト/丹下京子

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『クウネル』NO.132掲載

住まいを整えて、人生をリセットする

  • 発売日 : 2025年3月19日
  • 価格 : 1000 (税込)

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