【53㎡→30㎡ワンルームにお引越し/前編】「スペースは半分だけど家賃も半分。気持ちの面でも身軽です」

本当に気に入ったものがあればたくさんはなくていい。その分、ひとつひとつに思いを込めて。そんなふうに暮らしをコンパクトにした方々を取材しました。パフューマーの山藤陽子さんは53平米1LDKの部屋から30平米のワンルームにお引越し。
30平米ワンルームに暮らし替え、ゼロからの再出発。
昨年12月に、53平米1LDKの部屋から30平米のワンルームに引っ越した山藤陽子さん。
2024年7月号の小誌で以前住んでいた自宅を取材した際、「もっと狭い部屋に引っ越すことも考えている」と語っていましたが有言実行、小さな部屋で新しい暮らしを始めました。
「2年住んだ前の部屋もそこそこ狭かったのですが、狭いゆえの居心地のよさが気に入ってしまい。ひとり住まいだし、ならばいっそ、究極まで暮らしをスリムにしてみようと思ったんです」
【山藤さんの以前の住まい】
暮らしをスリムにするため、処分したものたち。
引っ越しにあたり、真っ先に手をつけたのが家具や不要なものの行き先。
「なにせ、新居はワンルームなので生活スペースの広さはこれまでの半分以下。以前は寝室のひと部屋をつぶして仕事に使う商品や道具を置いていたのですが、新居にはそれも収めなくてはいけない。そのため大量にあった洋服や本などはリサイクルに出し、家具のほとんどは友人や知人に引き取ってもらいました」

引っ越しの際に処分したものの一部。テレビ、棚、ラグなど大きいものも知り合いに引き取ってもらえたそう。「捨ててしまうのはもったいないし、粗大ごみは処分に手間も時間もかかって面倒。収納ボックスも数が多いとかさばるので意外と処分に困りました」。
「どれも大切にしてきたので、もう二度と買えないものと普段使いのものだけ手元に残し、それ以外は自宅フリマを開いて友人たちに買い取ってもらうことに。悲しいけど、食器は欲しくなったらまた買えばいいし、ものを手放すことを躊躇していたら、何も変われないと思って」

作家ものの器などは、写真と値段のリストを作り、欲しい人に譲ったそう。
よりコンパクトになった新居の特等席。
そうして最小限のものだけを厳選して持ってきた新居は、いわばゼロから暮らしを見直すための場所。「仕事のことも含めてこの先、自分がどう生きていくかを考えるための仮住まいという立ち位置。スペースは半分になったけど、家賃も今までの半分。気持ちの面でもとても身軽です」
コンパクトながら室内はきれいに整えられていて、家具の配置や収納にもさまざまな工夫が。
「普通ならベッドは窓際に置かないかもしれませんが、ソファも兼ねていて。ここで仕事もするし、来客も座れるようにしているので、日当たりがよくて景色も見えるここは我が家の特等席なんです」

部屋は最上階の南向きで光がたっぷり入る。「どこに引っ越しても連れていく」『イケア』の組み立て式ベッドと、大切な食器や思い出を飾っているガラスキャビネットも以前の家から持ってきた。
山藤陽子さん自宅の間取り図。

築50年のヴィンテージマンションで、30平米の簡素なワンルーム。生活スペースは7帖ほどで、小さい収納がひとつだけ。バスルームと玄関がやや広めに取られている。
PROFILE

山藤陽子/やまふじ・ようこ
パフューマー・ライフスタイルコーディネーター
パフュームブランド『SCENT OF YORK.』代表。空間演出やコスメの香りをプロデュースするほか、“気持ちいいこと”をキーワードに、もの選びやライフスタイルを提案。
『クウネル』2025年5月号掲載 写真/玉井俊行、取材・文/矢沢美香、間取りイラスト/丹下京子
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