10/30〜12/1までの約一か月間、外出制限が課せられ、2度目のロックダウン(都市封鎖)となっているフランス。街の雰囲気は?人々の暮らしにどんな影響が?など、在パリの〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの松永加奈さんにレポートしていただきます。
新型コロナウイルスの感染拡大により、フランスは10月半ばから夜間外出禁止、そして10月30日深夜0時から再びロックダウン(フランス語ではconfinement/コンフィヌモン)が始まりました。
マクロン大統領の発表がある数日前から、人々の間ではさまざまな予想が飛び交い、どこへ行っても聴こえてくるのは「コンフィヌモン」という言葉と、その話題で持ち切り。みんな不安を口にしながらも心の準備はしていたので、発表された時は「やはり…」というため息と、24時間後に始まるロックダウンに向けて「できることはしておかねば」と自身を鼓舞する体勢に入りました。
かくいう私は、テレビに映る大統領を見ながら、買っておくべき食材のことで頭がいっぱい。外出許可に距離や時間の制限があるため、前回のロックダウン中に買い足せなかった日本食材を揃えておかねば!と、翌朝にはマルシェカートを引いてアジア系スーパーへ走りました。さらに友人と会って、当分できないおしゃべりと外食を満喫。万端整えて、来たるべきその時を迎えました。
2回目のロックダウンは、スーパーや食料品店以外ほぼ閉鎖された前回とは違い、幼稚園や小中高校、役所など公共サービスは継続され、公園やマルシェもオープン。一度経験済みということもあり、人々に大きな混乱はなく、流れに順応している印象です。ただ、春は街の中が水を打ったように静まり返っていましたが、今回は普段より少ないとはいえ、人も車も前回より増えている気がします。ロックダウンの期間は「少なくとも12月1日まで」。フランス国民にとって一年でもっとも大切なクリスマスを制限なく迎えるために、人々がどれだけ頑張れるかがいま、再び試されています。