お湯の音に癒される、一期一会のお茶の時間

友人にお茶がおいしくないと言われ、土瓶をすすめられたことからお茶をはじめた本田依子さん。本田さんのお茶の楽しみ方を伺いました。

本田依子さんのお茶タイムの主役は茶道で使う風炉です。「 きっかけは歯に衣着せぬ友人に、お茶がまずいと言われ土瓶をすすめれたことから。近所の古道具屋さんの店主からは、”土瓶や鉄瓶はガスの火じゃダメだよ”と一言。いろいろ考えてたどりついたのが、この風炉でした」

炭で浄化した水を土瓶に注ぎ、風炉で穏やかに沸かす湯は確かにまろやかでおいしい。本田さんの1日はこの極上白湯ではじまり、お茶タイムは朝食後と午後、夜の3回。いつも側には風炉があり、コポコポと湯の沸く音に癒されながら日本茶や紅茶を楽しみます。手が届くところに沸き立ての湯がある贅沢さが、お茶の時間を一層豊かにします。お気に入りのお茶は京都の友人宅でいただいた松葉茶。静謐なひとときに合う松の香りと風味は、気持ちを浄化したいときによく飲むそう。

「同じお茶でも、その日の天気や一緒に飲む人との会話、茶器や菓子の選び方で味わいが変わります。お茶の時間は一期一会のようで、奥が深いです」

松葉茶 京都の友人の庭でとれる松の葉は、お湯を注ぐだけで浄血作用や抗酸化作用が期待できます。湯は透明でありながら松葉の風味がしっかりあり、すがすがしい香り。
松葉茶 梅干しを入れたり、他のお茶とブレンドしても美味。最近はインターネットで手軽に入手できます。
茶道の世界では夏用の風炉(電熱式)を1年中使い、土瓶や鉄瓶で、おいしい茶の湯を作る。
この日の午後のお茶タイムは、煎茶と青山にある「菊家」の特製黄身しぐれ「瑞雲」で。
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