柔らかな日差しに満ちる、コクーンのような安らぎの空間。パリ在住ギャラリーオーナーのくつろげる部屋(後編)
ほっとする、リラックスできる、落ち着く。クウネル世代にとって部屋は、くつろげることが大切です。それは、家族の形態が変わりひとり暮らしをするようになっても、実家を引き継ぎリフォームすることになっても、都心から自然豊かな地に暮らし替えをしても、そしてパリのアパルトマンでも。自分のスタイルとさまざまなストーリーを持つ16組のくつろげる部屋をお届けします。今回はギャラリーオーナー ・ミランダ・サルトさんのお部屋です。
間取り
光と影が、インテリアに息づくようなニュアンスを。
インテリアの中心となるのは大きなパープルのソファとダイニングテーブル。
「ソファはイタリアの『ZANOTTA』のもの。色が気に入ったので、同じ色調の布をセミオーダーした、ピエール・ポランのひとり掛けソファを合わせました」
一方、ダイニングテーブルの背景にしたのは、アーティストである義父、ピエール・サバティエールの作品です。
「義父がインスパイアされていた自然のオブジェを手前に飾り、作品とのバランスを考えたインテリアに。また建物との相性も考え、ウッドの温かみ×硬質的なメタルや工業デザインをミックスして、家の中をリズミカルにしたつもりです」
芸術家の祖父の影響か、14歳の長男が作った動物の陶芸オブジェや写真なども多く、家のあちこちに飾っています。
「大ぶりな観葉植物や花、ライトで、家の中に陰影をつくることも心地よいニュアンスを生みます。イメージとしては美しい光が差し込む教会のような感じ。好きなもの以外は極力隠して、ものをごちゃごちゃ見せない工夫もしています」
ゆとりある空間に、家具やオブジェ、アートが心地よく息づいて見えます。
PROFILE
ミランダ・サルト/Miranda SALT
オーストラリア・メルボルン生まれ。大学卒業後、すぐに渡仏。広告代理店に勤務後、2018年に写真専門ギャラリーをオープン。 Instagram:@galeriemiranda
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/篠 あゆみ、コーディネート/鈴木ひろこ、文/今井 恵
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『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
- 価格 : 1000円 (税込)