人が集い語らい、発信する家。『CASUCA』デザイナー・安野ともこさんのくつろげる部屋(前編)
間取り
新しい生活やアイデアは家のキャラクターから。
安野ともこさんが写真家の夫、伊島薫さんと暮らすのは、世田谷の80年代に建った一軒家。吹抜けのエントランス、どっしりしたソファセットが置かれた応接間、温かみあるLDK……。設計の遊びやあちこちのアートの演出で個性が強いのに、ゆったり落ち着けるお宅です。
「夫の作品を収める場所の確保、私の事務所は居住空間とは離す、など住み方の転換も必要になって、大きな空間を探しました。普通の民家の風情なのにさりげなく凝ったつくりを見て、ここだと!」
安野さんの強い希望とご縁あって移りはや1年半。住まいのタイプの転換も日々に変化をもたらしました。
「友人が来てつい話し込み夜になり、夫の料理でまた飲み、そしてまたソファに埋もれながら話す……といったことが増えたんです。暖炉や昭和な感じが和めるのかも? 私が仕事漬けの過去から暮らし方を切り替えられたのと重なりました」
安野さん×小泉さんのYouTubeチャンネルもこの家を最初の発信地として4月に始動。
昔からの友人、小泉今日子さんも、最近は度々訪れているそうです。
「若い時は密に会っていましたが昨年久々に会い、ここにおじゃましたんです。居心地のいい場所ができたなあと。私、外にほとんど出かけないので、よそのお宅でおしゃべりするのも久々。アラウンド60歳の、みないろんな形でライフステージも変わる時期に、仲間とジョイントできる場所を見つけた感じ。ここは何か自分たちのやりたいことのいいベースになるような空気があります」(小泉さん)
安野さん×小泉さんのYouTubeチャンネル「東京 VintAGE Girls」もこの家を最初の発信地として4月に始動。いろいろ面白い可能性を持つ家で、伊島さんが発案したのは応接間のギャラリー化!
「興味があるかたに自分の作品をじっくり見てもらって、アートに関しての話も一緒にしたいと思ったんです。この家ならできるじゃないかな、と」(伊島さん)
PROFILE
安野ともこ/やすの・ともこ
『CASUCA』は6/10目黒に移転オープンする。舞台衣装を手がけるナイロン100℃公演『江戸時代の思い出』は6/22〜7/21。
『クウネル』2024年7月号掲載 写真/富永よしえ、取材・文/原 千香子
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『クウネル』NO.127掲載
くつろげる部屋が好き!
- 発売日 : 2024年5月20日
- 価格 : 1000円 (税込)