【住まいと暮らしvol.51】毎日食べても飽きない、そうめんの魅力を伝えることがライフワークー日坂春奈さん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の木下えりさんのバトンを受けてご登場いただくのは、そうめん料理研究家の日坂春奈さんです。

日坂さんの暮らしのルール

1)先に決めすぎず、偶然の出会いやひらめきから産まれるものを大切にする
2)メニューは食材との出合いで決める
3)まじめに遊び、自分の身体を動かしてインプットする

「そうめん研究家」という、耳慣れない肩書きを持つ日坂さん。日坂さんの作るそうめん料理は、スープやグラタン、パフェまであり、そうめんの懐の広さに驚かされます。

「そうめんの名産地、小豆島の“これなら毎日食べても飽きないくらいおいしい!”と思えるそうめんに出合ったことがきっかけ。本当においしいそうめんは、毎日食べても飽きないことを伝えるため、SNSに毎日そうめんを使った料理を投稿しはじめたことが、今の活動につながっています」

そんな日坂さんは、保育や演劇に関わる仕事をしながら、活動の幅を広げているそう。

「それぞれ全然別の仕事のようですが、そうめん×演劇、演劇×保育で仕事をすることもあり、ジャンルの垣根を越えての繋がりや、影響しあうことで、思ってもみなかったものや広がりが生まれたりするところがおもしろいなと感じます」

そんな忙しい日々のなか、2年前に友人家族が北海道に移住したことを機に、北海道と関東を行き来する生活を始めたといいます。

「自然に触れる機会が増えて、関東に戻ったときに目に飛び込むものや気になるものが変わる、という変化がありました。空や雲をよく見るようになったり、道すがら草木に足を止めることも増えました。

最初に北海道に行くことにしたのも、流れに身を任せた結果でしたが、そのことがいろいろな出会いやきっかけを生み、行ってよかったなと思っています。歳を重ねるごとに、目の前にあるものを受け止める大切さを感じています」

 

どんどん増え続けるという絵本の一部。「好きな食べものや犬の絵本が多くなりがちです」

そうめんは冬でも1年中、ほぼ毎日食べているという日坂さん。お気に入りのそうめんは、小豆島の真砂喜之助製麺所のもの。「今では1400ほどあるアレンジメニューは、頂いた食材やお店に並ぶ旬の食材、レスキュー食材(おつとめ品を見つけると、“私がこの子を助けなければ!”と思ってしまいます)から発想して作ることが多いです」

そうめんは缶で保存。湿気を防ぎます。

1.5束茹でたときに余ったそうめんは、お気に入りの白樺のカップに立てて。「北海道で出合った白樺の良さ。見た目の美しさだけでなく機能面でも素晴らしく、少しずつ集めていきたいです」

今の季節は、晩白柚を食べるまで飾って、いい香りを楽しんでいるそう。

そうめんと相性のいいアジアの器。

緑に囲まれたなかで、そうめんパーティー。「北海道では、そうめんを食べていただくのが、自己紹介のようになっています」

季節の果物を使ったカッペリーニそうめん。「私のそうめんアレンジのシグネチャーメニューで、一年中いろいろな果物で作っています」

ある日の友人宅で行った、そうめんコースの一例。すべてのお皿にそうめんが入っているのだそう。

北海道の大好きだという景色。「どの季節が1番と決められないくらい、それぞれの季節の良さに気づかせてくれます。美瑛の丘を見て、今まで大好きな絵本で見た丘はみんな美瑛だったのかなと思うほど、興奮しました」

子どもの頃は、学校のスキー合宿もいやいや行っていたという日坂さん。「先日、雪板に初めて挑戦したところ、上達したい欲がむくむくと湧いてきて自分でも驚いています。圧倒的な自然を前にすると、自然に受け止める身体になるのを感じました」

スケジュールが立て込む前は、こまめに作り置きをして。「おやつ代わりにちょこちょこつまむことができていいです。メニューは、そのときにある食材を適当に組み合わせて。甘みにデーツシロップを使うのがお気に入りです」

梅干し作りは、部屋中梅の香りに包まれる、追熟が毎年1番楽しみな工程なのだとか。

朝ごはんは、パンのときもできるだけ味噌汁を取るようにしているそう。「夏は塩分、水分補給にもなるし、仕事で緊張している朝も自律神経が整う気がします。昨夏はプラムジャム作りにもはまり、冬に食べる分も何回も仕込みました」

日坂さん宅の“めいけん”ちいず。「アンパンマンのチーズから、名前をもらいました。夜、歯磨きをするとお手洗いに行ってから寝室に行く”めいけん”っぷりです。愛犬ちいずもそうめんを毎日一緒に食べています」

毎晩使う温めグッズはひとつにまとめて。「なかなか寝つきがよくなかったのですが、湯たんぽを履いていると、気づかないうちに自然と寝付けるようになりました」

profile

日坂春奈/にっさかはるな

SNSでほぼ毎日そうめんメニューを更新し、現在までに1400レシピを発表。都内や小豆島、北海道など各地で「そうめん食堂」を開くほか、レシピ提供やワークショップの開催、そうめんのフルコースとパフォーマンスを結びつけた公演「そうめんによる上演」を演劇祭で発表するなど、そうめんをベースに活動の場を広げている。
Instagram@paruchiizu

日坂さんがバトンを渡すのは、「HAGISO」を主宰する顧彬彬(こぴんぴん)さん。「やさしくて温かくて、ひだまりのできる彬彬の家のような、安心できる存在。HAGISOの活動から町内会のお祭りまで、お店の経営だけでなく、地域や人との繋がりを生み出すさまざまな働きかけやしかけを作り出す視点や眼差しが素敵で、尊敬しています」と日坂さん。彬彬さんの暮らしは、3月上旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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