フランスの1月のお楽しみガレット・デ・ロワ。パリオリンピックの準備も進んでいます
パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は桜井さんが、フランスの人たちが1月に楽しむ「ガレット・デ・ロワ」について、また、パリオリンピックに向けた街の整備について届けてくれました。
ガレット・デ・ロワは、フランスの1月の風物詩です
気がついたらあっという間に時はめぐり、また新しい年がやってきました。フランスでは元日が祝日なだけで、その後はすべて暦どおりに進むので、お正月気分は味わえませんが、代わりにガレット・デ・ロワ三昧の日々がやってきます。
日本でもすっかりメジャーになったこの焼き菓子は、パイ生地のなかにフランジパンと呼ばれるアーモンドのクリームが入ったもの。1月6日のエピファニー(公現祭)の日に食べるならわしなのですが、実際には、家族や友人たちと集まるたびに、1月の終わりまで何度も楽しみます
ガレットの中にはフェーヴと呼ばれる陶製の小さなマスコットが1つ入っていて、それが当たった人はその年の王様、または女王様になり、幸運が訪れると言われます。ガレットを買うたびにフェーヴが増えていくので、フランスの各家庭のキッチンの引き出しにはたくさんのフェーヴが眠っているのです。
パリの人たちは、オリンピックに対して意外とクール?!
2024年のパリといえば、やはり7月26日からのオリンピック、そして8月28日からのパラリンピックを抜きに語ることはできません。1924年以来、ちょうど100年ぶりにパリで開催されるこの五輪は、グラン・パレやコンコルド広場、ヴェルサイユ宮殿など、パリ市内の歴史的なモニュメントが競技会場として使われるのも注目ポイント。
国民性なのか、こういう国を挙げたイベントにも意外とクールで、「オリンピック期間は街が混みそうだからパリから抜け出そうかな」などとささやきあうパリジャンたちも多いようですが、なんだかんだ言いつつも、直前になれば盛り上がりそうな気もします。私も、一生になかなかないこの機会をパリで見届けたいと思っています。
そして年末には、2019年4月の大火災からもうすぐ5年、修復工事が懸命に続けられているノートル・ダム大聖堂が再開する予定です。たとえ中に入ることができなくても、その姿をひと目見ようと毎日たくさんの人が訪れる大聖堂前の広場には、階段状になった観客席が設置されています。
エッフェル塔と並ぶ、このパリのシンボルの復活は、オリンピック以上に、市民たちが心待ちにしている瞬間かもしれません。
文・写真/桜井道子
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トリコロル・パリ
荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
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