フランスの1月のお楽しみガレット・デ・ロワ。パリオリンピックの準備も進んでいます

パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は桜井さんが、フランスの人たちが1月に楽しむ「ガレット・デ・ロワ」について、また、パリオリンピックに向けた街の整備について届けてくれました。

ガレット・デ・ロワは、フランスの1月の風物詩です

気がついたらあっという間に時はめぐり、また新しい年がやってきました。フランスでは元日が祝日なだけで、その後はすべて暦どおりに進むので、お正月気分は味わえませんが、代わりにガレット・デ・ロワ三昧の日々がやってきます。

日本でもすっかりメジャーになったこの焼き菓子は、パイ生地のなかにフランジパンと呼ばれるアーモンドのクリームが入ったもの。1月6日のエピファニー(公現祭)の日に食べるならわしなのですが、実際には、家族や友人たちと集まるたびに、1月の終わりまで何度も楽しみます

2023年、女性初の世界最優秀パティシエに選ばれたニナ・メタイエと、スーパーのモノプリがコラボしたガレットは、4人サイズ8.95€と庶民的な価格。

ギャラリー・ラファイエットの食品館にずらっと並ぶ、パティスリー界の巨匠フィリップ・コンティチーニのガレット・デ・ロワたち。

トレードマークのキツネを真ん中にのっけた、ヤン・クヴルーの今年のガレット。ここは定番のフランジパン(アーモンドクリーム)のほか、ヘーゼルナッツクリーム入りのものも人気。4人サイズ28€。

ガレットの中にはフェーヴと呼ばれる陶製の小さなマスコットが1つ入っていて、それが当たった人はその年の王様、または女王様になり、幸運が訪れると言われます。ガレットを買うたびにフェーヴが増えていくので、フランスの各家庭のキッチンの引き出しにはたくさんのフェーヴが眠っているのです。

これまでに集めた我が家のフェーヴコレクションのうち、動物モチーフのもの。有名パティシエの高級ガレットからピカールの冷凍ガレット(6.99€)まで、フェーヴは必ず入っている。

こちらは人形のフェーヴたち。趣味で真剣にフェーヴを集めている人もいるが、普通に暮らしていても毎年最低4〜5回はガレットを食べるので自然に増えてしまう。

パリの人たちは、オリンピックに対して意外とクール?!

2024年のパリといえば、やはり7月26日からのオリンピック、そして8月28日からのパラリンピックを抜きに語ることはできません。1924年以来、ちょうど100年ぶりにパリで開催されるこの五輪は、グラン・パレやコンコルド広場、ヴェルサイユ宮殿など、パリ市内の歴史的なモニュメントが競技会場として使われるのも注目ポイント。

国民性なのか、こういう国を挙げたイベントにも意外とクールで、「オリンピック期間は街が混みそうだからパリから抜け出そうかな」などとささやきあうパリジャンたちも多いようですが、なんだかんだ言いつつも、直前になれば盛り上がりそうな気もします。私も、一生になかなかないこの機会をパリで見届けたいと思っています。

すっかりパリ2024オリンピック・パラリンピックのカラーに彩られているパリ市庁舎。

そして年末には、2019年4月の大火災からもうすぐ5年、修復工事が懸命に続けられているノートル・ダム大聖堂が再開する予定です。たとえ中に入ることができなくても、その姿をひと目見ようと毎日たくさんの人が訪れる大聖堂前の広場には、階段状になった観客席が設置されています。

エッフェル塔と並ぶ、このパリのシンボルの復活は、オリンピック以上に、市民たちが心待ちにしている瞬間かもしれません。

2024年1月中旬現在のノートル・ダム大聖堂のファサード。焼け落ちてしまった高さ96mの尖塔がついに再建された。

文・写真/桜井道子

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トリコロル・パリ

荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
https://tricolorparis.com/

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