「チーズケーキを通して、チーズ文化の奥深さを伝えたい」。バスクチーズケーキの火付け役・かのうかおりさん【住まいと暮らしvol.46】
かのうさんの暮らしのルール
1)耳では聞こえない声を聞く
2)季節の食材を味わって食べる
3)家族の時間を大事にする
チーズ研究家で、バスク風チーズケーキのブームの火付け役になったかのうさん。子どもの頃からお菓子や料理を作るのが好きで、会社勤めをしながらフランス菓子やフランス料理を学び続け、そのなかでたどり着いたのが、チーズだったのだといいます。
「ワインのお供にチーズでもと、チーズ専門店に行ったことをきっかけに、フランス食文化の代表であるチーズについて知りたくなったんです。チーズが作られる環境で作ってみたいと、フランスで専門的にチーズ作りを学んできました。チーズをもっと伝えたいと、帰国後にチーズ感あふれるチーズケーキを作って販売することにしました」
フランスでは農家でチーズ作りを学び、パリのチーズショップで販売もしていたというかのうさん。ホームステイをして、フランスの家庭料理を知ったのだそう。
「誕生日にマダムが作ってくれた、手でさっと生地を伸ばし、フルーツをたくさん並べてただ焼いただけのフルーツのタルトが心に残っています。日本で習ったフランス菓子はきっちり軽量し、何mmに伸ばして型に敷いてというもの。こんなに簡単に、こんなにおいしく作れるんだと、家庭菓子の素晴らしさを知れたのもよかったです」
これからもチーズケーキを通して、「チーズ」という食文化の奥深さを多くの人に伝えたいと、かのうさんは話します。
「食べものを味わうことによって感じる、“おいしさってなんだろう?”、“味わうってなんだろう?”を追求しています。“味わう”を考える人として、これからもチーズケーキ作りや料理教室などを続けていきたいと思っています」
profile
かのうかおり
長崎県壱岐市生まれ。チーズケーキ専門店「カオリーヌ菓子店」を経営しながら、「心で食べる、味わう」をテーマに、ワークショップや料理教室を開催。チーズにとどまらず、食に関するさまざまな活動を続けている。
https://kaorinne.ocnk.net
Instagram@kaorinnedesu
かのうさんがバトンを渡すのは、編集者の望月早苗さん。「仕事を通して出会い、今では子育てのこと、仕事のこと、なんでも相談して一緒に解決していける親友になりました。私と同じく3児の母であり、子どもも同世代。みんなでファイト!と頑張っています」とかのうさん。望月さんの暮らしは、12月下旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。