まるでパリのアパルトマン。元公団住宅でミニマルに暮らすデザイナーのお部屋訪問【前編】

もっとコンパクトに、きれいにすっきり暮らしたい……。多くの人が持つ暮らしへの願い。しかし意志も環境も未だ整わず、という人も多いのでは?今回はまるでパリのアパルトマンを彷彿させる素敵な空間で暮らすアクセサリーデザイナー・髙野緑さんのご自宅を訪ねました。部屋づくりのヒントがたくさんありますよ!

PROFILE

髙野緑/たかのみどり

アクセサリーデザイナー。アパレルでアクセサリーを手掛けた後、手作りのアクセサリーブランド「midorimade」をスタート。

パリシックを目指しミニマルを極める一人暮らし

ターミナル駅に近いものの、今も昭和な町並みが残る都会のエアポケットのようなエリアで、髙野さんは一人暮らしをしています。

「6年前に夫を亡くし、それまで住んでいた一軒家を持て余すようになりました。そこで“器”である住まいを小さくしようと引越しを決めたんです。交通の便がよく土地勘もあるこの街で物件を探すなか、ピンときたのがこの築60年以上の元公団住宅。収納が多い間取りに惹かれて内見すると、広くて開放的な中庭に面しているところも気に入って即決でした」

約35㎡の1DKは玄関を入るとダイニングルーム、その左右にキッチンとベッドルームが分かれた簡潔な間取りで、元公団住宅らしい印象です。

ダイニングルームには、ショールーム感覚で自身のアクセサリーも飾っている。カラフルな灰皿は制作時、パーツ用トレーに活用。

イメージは1980年前後に長期滞在したパリのアパルトマン

小粋さがきゅっと詰まった部屋。そのイメージは1980年前後に長期滞在した、パリのアパルトマンだそう。

「そこは10階の屋根裏部屋で、エレベーターがなかったのでワイン5本を抱えて階段を上ったことも。古くて狭かったけれど、機能的なミニキッチンがあるなど、生活に必要なものがコンパクトにまとまっているところが、いかにもパリらしくて素敵だったんです」

住まいをダウンサイズするにあたり、荷物も大幅に少なくし、ハンドリングしやすくしたいと考えました。夫の荷物は残しておきたい本やレコードなどに絞って処分をし、愛猫のお骨も連れて行くと決めた上で、自分一人の新しい生活に必要なものを精査。

キッチンとダイニングを仕切るカウンターは家事をしたり食事を運んだりに使い勝手がいい。器のコレクションを収納。

蛍光灯の端にはイラスト入りのコースター、壁にはキッチンクロスを飾って。スペースが限られたキッチンも工夫で可愛く楽しむ。

アクセサリー制作中。食事を挟むときは、道具やパーツを一旦片付けて気分転換。

髙野緑さんのYouTube動画も公開中!

後編も読む

『クウネル』2023年9月号掲載 
写真/山崎智世、取材・文/間中美希子、編集/原千香子

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『クウネル』No.122掲載

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  • 発売日 : 2023年7月20日
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