【目利き書店員セレクション5冊】book cafe火星の庭・前野久美子さんが選書した人生を味わいつくす本とは?

新たな本に出合いたいけれど、何を選べばよいか分からない。そんな時は本のプロである書店員さんに聞いてみるのも手。直木賞作家から書店員歴40年以上のベテランまで、個性的な書店オーナー&書店員さんに「推しの本」を取材しました。

前野久美子/まえのくみこ

調理師、出版社、新刊書店での勤務を経て、学生の頃に住んだ仙台でカフェのある古本屋を開業。トークショーやライブなどの企画も行う。

仙台の文化発信地として県内外のファンが集うブックカフェ

ドイツ在住時に通っていたブックカフェをイメージし、22年前、仙台にカフェを併設した古書店をオープン。「クウネル世代は、つまり半世紀以上を生きたということ。人生の山をいくつか越えて、その経験から自分や他人を多面的に見られるようになり、残りの時間を意識し始める年代です。命あるものを深く見つめ、味わいつくすための先達として読んでいただきたい本を選びました」

ブックセラーズ・ダイアリー』ショーン・バイセル
スコットランドで古書店を営む店主によるノンフィクション。「店を訪れる奇人たちのエピソードが面白い」。3,300円(白水社)

森荘已池ノートふれあいの人々 宮澤賢治』森荘已池
岩手初の直木賞作家・森荘已池が知る宮沢賢治の素顔。「森さんのまっすぐな愛情に心が和みます」。1,100円(もりおか文庫)

ネガティブ・ ケイパビリティ』帚木蓬生
「傷ついた自分を慈しみ受け入れる。無理にポジティブに変換しなくていいという考え方に救われます」。1,430円(朝日新聞出版)

N さんの机で』佐伯一麦
仙台在住の小説家が身の回りのものを記憶に絡めて綴ったエッセイ集。「日常を捉える視点が変化しました」。2,420円(田畑書店)

塩を食う女たち聞書・北米の黒人女性』藤本和子
「類まれな聞く力と共感力によって引き出された、黒人女性たちの体験の記録が胸に迫ります」。1,078円 (岩波現代文庫)

book cafe火星の庭

住:宮城県仙台市青葉区本町1-14-30ラポール錦町1F
電:022-716-5335
営:11:00~18:00
休:火曜・水曜

『クウネル』2023年1月号掲載
編集・文/吾妻枝里子

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『クウネル』No.118掲載

私の人生を変えた本

  • 発売日 : 2022年11月18日
  • 価格 : 980円(税込) (税込)

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