パリに行く人、行きたい人必読!あの『ノートル・ダム大聖堂』が完全復活。パリ市民が教えるスムーズな見学法

パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISの主宰・荻野雅代さんと桜井道子さんおふたりが、毎月交替でフランスから日々の暮らしをご紹介。今月は桜井さんが、『ノートル・ダム大聖堂』について、詳しく教えていただきました。フランスに行く際は、ぜひ参考にしてください。
かつての美しさを取り戻したノートル・ダム大聖堂が復活!

朝日に包まれるノートル・ダム大聖堂。5 年以上もの間、囲っていたフェンスが取り外され、ようやくその姿を再び見ることができるようになった
2019 年4月15日に発生した大火災で、パリ・シテ島のノートル・ダム大聖堂は屋根の3分の2 が焼け落ちるなど、大きな被害を受けました。テレビのリアルタイムの映像で、今まさに燃え続けている大聖堂、そして、炎に包まれてポキっと折れ、崩れ落ちた尖塔を見た衝撃は、今もなお忘れることができません。中世の昔からずっと、そこにあるのが当たり前のように感じていましたが、この大聖堂がフランスに欠かせない大切な遺産であることを多くの人が実感させられた、悲しい出来事でした。
以来、フランス政府や大企業による支援はもちろん、世界中から集まった寄付、そして合計1000人以上とも言われるさまざまな分野のエキスパートたちが力を合わせ、再建工事は着々と進められていきました。たくさんの人々の努力と祈りが実を結び、ついに、火災から5 年半以上が経過した昨年12月7日と8日に再建を記念するセレモニーや礼拝が行われ、9日から一般公開が再開されました。
荘厳な雰囲気の『ノートル・ダム大聖堂』の中。

中に入ると、高さ32mを超える身廊が出迎えてくれる。火災前よりもぐんと明るくなったけれど、その荘厳な雰囲気は変わらない。
中に入ると、まずその明るさに感動します。というのも、火災前のノートル・ダム大聖堂の内部は、長い歴史のなかで石が黒ずみ、薄暗い印象だったからです。火災の日に消防隊員たちが必死に救出した絵画その他の芸術作品が修復され、壁のフレスコ画やモチーフも色彩を取り戻し、建設当時と同じような鮮やかさとなりました。火災の被害を免れた主祭壇のピエタ像や、12〜13 世紀のバラ窓などはもちろん、柱や柵、シャンデリアなどのディテールまで美しく、眺めていると時を忘れてしまいます。
フランスだけでなく、世界の人々が大聖堂の再開を待ちわびていただけに、再開直後はとても混み合い、長い行列ができていることも多かったですが、ひと月ほど経って、だんだん落ち着いてきた印象です。予約は必須ではなく、開いていればいつでも入れますが、並ぶリスクをなるべく減らしたいという方のために、希望日の2 日前から予約が可能なオンライン予約システム(無料)が用意されています。
予約枠はすぐに埋まってしまうので取りづらいですが、たとえ予約がとれなくても、朝早めの時間など、意外とするすると入れることも多いので、パリに行く予定のある方は、ぜひチャレンジしてみてください!
写真・文 桜井道子
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トリコロル・パリ
荻野雅代さんと桜井道子さんのユニット。パリとフランスにまつわる情報サイトTRICOLOR PARISを主宰。最新ニュースやカルチャー、旅行・観光情報をはじめ、さまざまな情報を発信している。初のエッセイ『フランスの小さくて温かな暮らし365日~大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』(自由国民社)は6万5000部のヒットに。
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