ドラマ『海に眠るダイヤモンド』で注目!軍艦島など、ディープな長崎2泊3日旅/前編

現在は21棟の建物が並び、出島の場内に一歩入ると、19世紀初頭、江戸時代にタイプトリップしたかのような感覚で出島を見て歩くことができます。

出島の商館長カピタンの部屋は必見! この洒落た壁は日本の伝統的な文様をモチーフにした木版刷りの“唐紙”が使われているそう。当時の商館員たちが朝夕の食事をとっていたという食堂をはじめ、いくつもの部屋に様々な文様が使われています。うつくしいインテリアに目を奪われます。

出島場内に並ぶ建物は正面向きと外向きの建物が混在している理由は? など、教科書で習って以来の出島の歴史を復習。

〈長崎ミルクセーキ〉(700円)はシャーベット状なのでスプーンでいただきます。ミルクのコクがしっかりありながらあっさりしていておいしい!

16世紀キリスト教の伝来から鎖国〜開国において信教の自由獲得のための歴史を学ぶ、重要な場所。伝道師フランシスコ・ザビエル像や「信徒発見のマリア像」とも呼ばれる聖母子像のある天主堂内は拝観することができる(拝観料1,000円)。写真撮影は禁止されているのでご注意を。

天主堂の裏手に続く階段からの景色もおすすめ。天主堂の建物を間近に見ることができ、漆喰で白く塗られた煉瓦造の壁と瓦屋根の和洋建築であることがよく分かります。

天主堂の敷地内には博物館やギフトショップも。毎日数量限定で販売される〈奇跡のカステラ〉をお土産に。

トーマス・ブレイク・グラバーは、21歳でスコットランドから来日し、修船場の建築や石炭の採掘場開設に携わる「グラバー商会」を設立した人。グラバー園の「旧グラバー住宅」では、グラバー氏と息子の二代にわたって暮らしたそうです。

日本で初めてビールを醸造した出島で資本家を集め、ビールの販売にも尽力((のちのキリンビール)など、グラバー氏の功績が園内で知ることができます。

グラバー園の中で高い場所に建つ「旧三菱第2ドックハウス」のテラスからは、長崎市街を一望。三方が山、一方が海という長崎市の独特な地形も良く分かります。

レトロな洋館の雰囲気が残る『自由亭喫茶室』。長崎は日本西洋料理発祥の地ともいわれ、長崎市生まれの草野丈吉氏が1878年、24歳の時に開業した『自由亭』には、三菱創業者の岩崎弥太郎やジョン万次郎が来店していたそうです。グラバー園にある建物は、長崎市馬町にあった『自由亭』を移築。

グラバー園は50周年を記念してハローキティとコラボ中! 『自由亭喫茶室』の人気スイーツ、アップルパイにハニーバニラアイスをトッピングしたコラボメニュー〈グラバーさんとハローキティのおもてなしプレ―ト〉(1,500円)。

オリジナルグッズもかわいい! トートバッグ(3,500円)、サコッシュ(3,000円)、クリアファイル(400円)、コースター全2種、各600円)、ボールペン&シャーペンセット(700円)、ステッカー(大600円、小500円)。カフェメニューやグッズのほかにもプロジェクションマッピングなどさまざまなコラボ企画が目白押し。2025年3月31日まで。

時代とともに風化したコンクリートジャングル「軍艦島」。島の風貌にも目を奪われますが、2015年「明治日本の産業革命遺産」のひとつとして世界文化遺産に登録されてからは、さらに注目度が高まっています。

私もクルーズ船に乗り上陸チャレンジ!「軍艦島上陸ツアー」は、午前と午後の1日2便。

が、この日は船長判断によって上陸は叶わず。できる限り島に近寄ってくれた後は島をぐるりと一周。建物のところどころが崩落していたりと、船上からでも確認することができました。

船上から見た鬼気迫る光景。現存する日本最古の鉄筋コンクリート造の団地“30号棟”は1916年築。島に残る建物は、老朽化や気象の影響などで年々姿を変えつつあるそうです。

全長30メートルのスクリーンに3000枚の写真が次々に投影されるプロジェクションマッピング、採掘現場に降りていくエレベーターやトロッコに乗って坑道を進んでいく擬似体験など、体感モノが盛りだくさん!

プロジェクションマッピングでは、数字やデータを使った解説もあるため、学びが多く、より理解が深まります。ちなみに、炭鉱現場の坑道の深さは海底に向かって606メートルの深さまであったといい、スカイツリーの高さに匹敵。

「軍艦島立ち入り禁止区域」に仮想上陸できるVRは、思わず声を上げながら大興奮。クルーズで島に上陸できなくても、このVRで十分な気すらしたほどの迫力。
わくわくしながら軍艦島を学ぶことができるデジタルミュージアム、素晴らしい!

九州の西端、長崎。20代の頃に旅した時は、教科書に載っていた出島や天主堂を見てまわり、稲佐山からの夜景に感動し、カステラを買って帰った記憶があります。それから ...[続きを読む]

取材・文 神保亜紀子

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