フランス在住歴20年超えの荻野雅代さん、桜井道子さんのふたりによるユニット「トリコロル・パリ」。パリとフランスにまつわる超人気情報サイトTRICOLOR PARISを主宰しています。そんなパリマスターのおふたりが、満を持してガイドブックぎゅっと旅するパリ 暮らすように過ごすパリ』を発売！　なんと5年ぶりのガイドブックの出版だそうです。

とにかく、どのページをめくっても、かわいい写真、ときめく情報が！コロナ以降、久しぶりの海外はやっぱりパリ！と思うこと間違いなしの魅力的なガイドブック。クウネル・サロン読者に特別に、本書の中から一部記事を紹介いたします。ただ歩いているだけで楽しくなる美しいスポットを３つ紹介します。

※これより下の記事は『ぎゅっと旅するパリ 暮らすように過ごすパリ」（世界文化社）からの抜粋です。

フランス革命後から約200年間海軍や海洋省が使用し、フランスの歴史に深く関わり続けた「海軍の館」の一般公開が2021年に始まりました。革命前は王室調度品保管所として使われ、所長の住まいでもあったため、18世紀当時の美しい調度品で飾られたオフィスやアパルトマンも見どころです。

黄金の装飾とシャンデリアが華麗な19世紀のサロンを堪能したら、見学の最後はコンコルド広場とさまざまなモニュメントを一望できるロッジア（バルコニー）で最高の景色を。見学時はタイムスリップしたような没入感のあるコネクテッド・ヘッドホン（料金込み・日本語あり）を必ず装着します。全館を1時間15分で回れるコースが断然おすすめですが、時間に余裕がない人はサロンとロッジアのみの45分コースを。

セーヌ川に並んで浮かぶ2つの島。パリ発祥の地と言われるシテ島は、ノートル・ダム大聖堂、サント・シャペル、マリー・アントワネットが投獄されたコンシェルジュリーなどで有名ですが、観光地だけに留まらず、レストランやカフェでにぎわうドーフィヌ広場や、島の先端のヴェール・ギャラン公園、19世紀から続く花市などをのんびり散策してください。

シテ島から橋を渡り、お隣のサン・ルイ島へ。真ん中を貫くサン・ルイ・アン・リル通りがメインストリートで、カフェやパン屋さん、雑貨屋さんなどが軒を連ね、小さな村のようです。パリ一と名高いアイスクリーム屋さん「ベルティヨン」や教会もここにあります。島の周りの道を歩いてみれば、街路樹と街灯とセーヌ川が織りなす、四季折々の美しい風景が待っています。

14世紀の王室文庫を起源とする歴史ある国立図書館リシュリュー館は、10年以上にわたる大改修工事を終え、2022年9月にリニューアルオープンしました。4000万点にも及ぶ所蔵品の一部を一般公開する美術館が館内に新しく誕生し、古代美術から中世の銀食器や宝飾品、コインやメダルなど、貴重なコレクションを鑑賞できるようになりました。

なかでも、天井の美しいフレスコ画の下、中世の写本や著名な作家や音楽家の手稿などが一堂に会する展示室「ギャラリー・マザラン」は最大の見どころです。図書館の地上階にあり、誰でも無料で利用できる楕円形の閲覧室「Salle Ovale」も必見。天井から自然光の入る広々した空間に2万冊もの蔵書が並び、フランスの知と文化の蓄積を体感できます。