女性の幸せを祈ってくれる京都の神様に会いたくて。俳優・羽田美智子さんが教える女性におすすめの「神社仏閣」3選

1300年に及ぶ京都の歴史と文化を形づくってきたのは、神社や寺院という存在。 京都とその神社仏閣を愛するみなさんに、お好きな祈りの場所を聞きました。今回は俳優・羽田美智子さんが教えてくれたのは、女性を守護することを大切にしている神社仏閣です。

PROFILE

羽田美智子/はだみちこ

俳優業のかたわら、全国の名産を紹介するオンラインセレクトショップ「羽田甚商店」を運営。

女性の神様を祀った、女性のための神社『市比賣神社』

平安時代にこの境内で市が立っていたとは。さりげないたたずまいながら、歴史ある町の奥行きを感じさせる。

羽田美智子さんが京都のお寺や仏像の力を実感したのは、20代の新人女優だった頃。役者の仕事はなかなかうまくいかず、知人もほとんどいない京都でひとり、行き詰まっていたとき。撮影所の近くにある『広隆寺』に出かけてみました。「とても名高いお寺とも知らずに行ったのですが、そこで柔和な半跏思惟像の弥勒菩薩様に出会って心を打たれました。何もできない自分を大丈夫、大丈夫と受け入れてくれる懐の深さを感じたのです」

そんなことをきっかけに寺社をひとつひとつ巡って古都の歴史や文化に触れ、人とのつながりもやがて生まれて、京都が第二の故郷のような愛すべき場所になったそう。そんな羽田さんが教えてくれたのは、女性を守護することを大切にしている神社仏閣です。

「『市比賣神社』はこぢんまりとした、さりげない場所ですが、私にとっては大きなご利益を感じる神様がいらっしゃる社。こちらは『女人守護』を謳っていらっしゃって、女性の健康や幸せを祈ってくれるのです」

女性に縁の深い市比賣神社のおみくじは人形をかたどったかわいらしい〈姫みくじ〉。〈女人お守〉も扱っている。

洛陽の七名水のひとつである『天之真名井(あめのまない)』。歴代天皇の産湯に用いられたという伝承もあるそう。

この神社に「ハッピーカード」というお守りがあって、それをもらった羽田さんはそのあと、仕事やプライベートでたくさんのいいことが続いたとか。こちらのご祭神はすべて女神様。良縁祈願や安産・子宝など、昔から女性の信仰を集めてきた神社ならではのパワーを感じます。

市比賣神社

平安時代、平安京唯一の公営市場として全国から集まった商品が並んだという歴史ある神社。女人守護、市場の交易、商売繁盛の神様として信仰を集めてきた。使い終わったカードを祓い清める「カード塚」もある。

住:京都市下京区河原町 五条下ル一筋目西入ル
電:075-361-2775
営:9:00~16:30
休:無休
料:無料
www.ichihime.net

美人の守り神、 楊貴妃観音をぜひ『総本山 御寺 泉涌寺』

大門を入って左側にある楊貴妃観音堂。このほかにも、庭園が美しい「御座所」、泉の湧く「泉涌寺水屋形」なども見所。

観光ルートからは少し外れているけれど、静寂でおごそかな雰囲気が美しい『泉涌寺』。こちらでは、楊貴妃観音に詣でます。「中国の楊貴妃が一時、こちらのお寺に滞在したことがあるという伝説があるそうです。そのお姿を見られる観音様は美人護りの神様。お参りすると美人になれるというお話もあるそうですよ。紅葉も美しく、大人の女性におすすめです」

美人の守り神といわれる『楊貴妃観音』は重要文化財。玄宗皇帝が亡き楊貴妃の面影を写して作ったとの伝説がある。

総本山 御寺 泉涌寺

真言宗泉涌寺派の総本山。皇室の菩提寺として、「御寺」と呼ばれている。13世紀に主要な伽藍を完成させたときに霊水が湧いたことが名前の由来。京都東山の月輪山の麓に広がる雄大な景観が特徴的。

住:京都市東山区泉涌寺山内町27
電:075-561-1551
営:9:00~16:30(17:00閉門)、12月から2月は9:00~16:00(閉門16:30)
休:無休
料:伽藍拝観500円、特別拝観500円
https://mitera.org/

静謐なお堂と庭園の花々。 心安らぐ洛北のお寺へ『詩仙堂丈山寺』

詩仙堂』という名前の由来ともなった肖像画がずらりと並ぶ。「お庭がきれいで女性的な優しさが」と羽田さん。

洛北に位置する『詩仙堂』はやはりこぢんまりとしたお堂ですが、美しく女性的なやさしさを感じさせる庭園の風景は見飽きることがありません。

「京都には歳月を重ねたものの美しさ、優雅さ、懐かしさがぜんぶ揃っているんです。私もこんなふうに、年を重ねるごとに魅力的でありたい。私自身のキャッチフレーズは『そうだ 京都、行こう。』をもじって、『そうだ 京都になろう。』だなって思っています」

詩仙堂丈山寺

曹洞宗大本山永平寺の末寺。お堂には狩野探幽が描いた中国の36人の詩人の肖像がぐるりと並び、唐様庭園では四季折々の花や植栽の美しさを楽しめる。『銀の匙』の作者・中勘助が好んだことでも知られる優美な寺院。

住:京都市左京区一乗寺門口町27
電:075-781-2954
営:9:00~17:00(受付終了16:45)
休:5月23日
料:拝観料500円
https://kyoto-shisendo.net

『クウネル』11月号掲載 取材・文/船山直子

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